衛星コンステ、日本の勝ち筋は「負けないこと」 宇宙開発の最新動向を三菱総研が解説

衛星コンステレーションや宇宙データセンターなど、宇宙産業の裾野が急速に広がっている。三菱総合研究所は、業界団体を介した官民連携が政策形成の新たな形になりつつあると指摘。日本は得意分野で能動的にマーケットを作るとともに、同志国の宇宙システムに不可欠な存在になる必要があると訴えた。

業界団体が政策形成の橋渡し役に

宇宙産業が拡大するなか、MRI フロンティア政策本部 本部長 主席研究員の内田敦氏によれば、政府と民間の関係にも変化が生じている。

宇宙産業のプレーヤーが限られていた従来は、政策立案に際して、省庁関係者が意見を聞く相手も限定されていた。しかし現在では、安全保障や宇宙旅行、月面開発など、宇宙産業の領域が多岐にわたり、参入するプレーヤーも増えている。

そこで、コミュニティーや業界団体を設立し、団体として政策提言を行う動きが広がっているという。

「軌道上サービスや地球観測など、それぞれの業界で共通して必要となる施策を提案する。省庁側も、そうした団体からの提案であれば、幅広い事業者に役立つ政策になると判断しやすい」(内田氏)

内田氏は、こうした官民の新たな関係を示す代表例として、衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)、フロンティアビジネス研究会、月面産業ビジョン協議会、軌道上サービス戦略共創フォーラム(StraCOS)を紹介した。

軌道上サービス戦略共創フォーラム(StraCOS)の概要

軌道上サービス戦略共創フォーラム(StraCOS)の概要

能動的に日本主導のマーケットを作れるか

政府は2027年に「宇宙基本計画」を改定するとみられている。これに向けた鍵の1つとして、内田氏が強調したのが、「能動的に日本主導のマーケットを作れるか」だ。

Starlinkの衛星数がすでに1万機を超えるなか、内田氏は「費用や規模の勝負では、つらいところも多い。例えば軌道上サービスや月面開発など、日本が今、比較的先行している分野で、しっかりマーケットを作っていく意識が大事だ」と述べた。

一方、衛星コンステレーションのように規模がものをいう分野について、間宮氏は次のように指摘した。

「『日本一国で』というのはないと私は思う。自律性を高めながら、他国にとって不可欠な存在になっていくことが必要。商用コンステレーションでも軍事分野でも、米国を中心とする同志国のアーキテクチャに、日本の衛星や部品が組み込まれていくことが重要だ」

そのうえで内田氏は、「衛星コンステレーションは『勝ち筋』というより、負けないように自律性を担保する形」と補足した。

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