<連載>AIインフラの新潮流「GPU専業で圧倒的低コスト化」ハイレゾ 川本氏

国内唯一のGPU専門クラウドを展開する。GPU特化の設備設計と地方展開、自治体との連携などによる圧倒的な低コスト化で急成長するハイレゾの今後の展望とは。

ハイレゾ GPU事業本部 プロダクト& 事業開発部 部長の川本信博氏サムネイル

ハイレゾ GPU事業本部 プロダクト& 事業開発部 部長の川本信博氏

当初はゲームの受託開発を行っており、GPUを大量に保有・運用していたことが事業の出発点でした。「開発環境を貸してほしい」という要望が増えたことから、10年ほど前にGPUクラウド事業への転換を始めました。

石川県志賀町に最初のデータセンター(DC)を開設したのは2019年です。その後、2022年にクラウドサービスプロバイダーでは日本で初めてエヌビディアのパートナーとなりました。

最大の強みは日本で唯一、「GPU一本に特化している」クラウド業者であることです。

クラウド事業者の多くは様々な顧客要件に応えるために多機能な汎用クラウドサービスを提供している中で、我々はあえてGPUリソースの提供のみに特化しています。GPUの稼働に不要な設備を徹底的に省く独自の設計により、純粋に計算資源を求めているお客様に対して、よりお求めいただきやすい価格でリソースを提供できるのが弊社の強みです。

石川県志賀町を選定したのも、北陸電力管内の電力価格の安さが大きな理由です。

また、コスト削減のアプローチの1つとして廃校を活用した地方展開も行っています。直近では香川県高松市と綾川町にDCを開設、秋田県男鹿市とも立地協定を結びました。自治体から廃校を無償で貸与してもらい、我々がリノベーションして活用します。建設費が抑えられるうえ、AI活用による地域の産業振興や雇用創出につなげたいという自治体の熱意とも合致し、地域住民にも好意的に受け入れられています。

GPUの提供に特化しているため、ユーザーと接するフロント側のネットワーク設計を非常にシンプルにできる点も特徴の1つです。従来のクラウドサービスのような複雑な仮想ネットワーク機能を省くことで、ネットワーク機器の数が減り、トラブル発生率を大きく抑えることができています。

GPU間通信にはInfiniBandを標準採用しています。

クラウドとエッジは適材適所

ハイパースケーラーのGPUサービスとは比較されます。GPU以外の周辺機能や開発エコシステムを重視するお客様は海外企業を選ばれることが多いですが、純粋に計算資源を求めるお客様に選んでいただいています。

現在、様々な分野からGPUクラウド市場への新規参入が相次いでおり、市場全体が活気づいていることは喜ばしく思っています。一方で、お客様に安心してご利用いただき、業界全体が持続的に成長していくためには、安定したITインフラ構築の技術的ノウハウやサポート体制が不可欠だと考えています。各社が質の高いサービス提供を通じて市場全体の信頼が向上していく状態になるよう、我々も努力していきたいです。

今後はアプリケーションへのAIの組み込みが当たり前の時代になり、GPUクラウド市場は確実に伸び続けるでしょう。そのため、GPUを使いこなせるAI人材の育成が日本の課題になると考えています。

推論用途においては、東京や大阪といった大都市圏へのサーバー設置が重視されるケースも多くあります。一方で、極めて高い即応性が求められるロボット制御などを除けば、国内の地方拠点であっても体感速度として十分なパフォーマンスを提供できることがわかっています。我々も推論用途への対応も視野に入れていますが、都市圏と地方それぞれの適材適所を見極め、お客様の用途に合わせた最適な選択肢を提案してまいります。

月刊テレコミュニケーション 2026年5月号の記事を再構成]

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。