店舗にいる時間を楽しんでもらうため「ARアプリ」も用意
自動車販売店というと、ガラス張りになった店舗を思い浮かべる方が多いだろう。「外からでもクルマがよく見えるように」と広がったデザインだ。しかし、「選ばれるお店」を目指すネッツトヨタ富山では、こうした既成の“常識”を捨て、まるでカフェのような空間を作り出している。
一般的な自動車販売店とは一線を画す店内(左)、その一角に設けられたカフェスペースにもiPadが置かれている(右) |
「“このクルマを買いたいから来店する”ではなく、“このお店が好きだから来店する”」。そのための店舗デザインだとネッツトヨタ富山 管理部 課長の田村守氏は説明する。iPad活用においても、この思想にブレはない。「店舗では、iPadを活用して待ち時間を楽しく過ごしていただけるように工夫しています」と田村氏は語る。
ネッツトヨタ富山 管理部 課長 田村守氏 |
ゆとりのある店内には、クルマ好きの大人が楽しめるスペースと、子供たちが待ち時間を飽きることなく過ごせるスペースの両方が用意されているが、どちらのスペースでも目に止まるのがiPadだ。顧客は、店内に置かれたiPadを使って自由にWeb閲覧などを行えるが、それだけではない。ネッツトヨタ富山では、「ネッツ富山ARカメラ」と「ネッツ富山3D」というオリジナルアプリも用意している。
ネッツ富山ARカメラは、AR(Augmented Reality:拡張現実)を利用したアプリである。サービス紹介用のPOPやポスターなどにiPadのカメラを向けると、そのサービスなどに関するムービーがiPad上で再生される仕組みになっている。
ネッツ富山ARカメラの利用イメージ。タイヤチェンジサービスのPOPにカメラを向けると、iPad上でタイヤチェンジサービスを説明するムービーがスタートする |
また、ネッツ富山3Dは、子供向けのアプリ。ネッツトヨタ富山のオリジナルキャラクターである「アミー&シャルロット」が描かれたカードが店内には隠されており、それを発見してiPadのカメラを向けると、画面内にキャラクターが登場。一緒に記念写真も撮影できる仕掛けの宝探しゲーム感覚のアプリだ。
ネッツ富山3Dの遊び方を説明するPOP |
「とにかく店舗にいる時間を楽しんでいただきたい。カフェのようなスペースを作ったりマニアックなグッズやミニカーを並べたり、雑誌や漫画を豊富に揃えてみたり。iPadも、そのためのツールの1つとして活用しています。最近では点検が終わってもすぐには帰らない方が珍しくなくなったので、うまくいっていると確信しています」(田村氏)