「介護保険制度が2000年に施行されたのに伴い、数多くの介護事業者が設立されましたが、経営的には“苦しい”と感じている介護事業者が多いのが実状です。厚生労働省の統計では、在宅介護事業者の半数が赤字となっています」
こう語るのは、「医療」「介護」「アクティブシニア」の3分野で高齢社会に求められる情報インフラサービスを提供するエス・エム・エスで、介護経営支援事業部 経営支援グループ 商品設計チーム リーダーを務める大日向佑介氏だ。同氏によると、介護事業者の経営が不安定な要因の1つには、その経営の非効率性も挙げられるという。
「介護事業者の経営者は、福祉畑一筋でやってこられた方がほとんどです。そのため、介護に対する想いや理想はしっかりあるものの、経営ノウハウに関してはまだ成熟していない方も少なくありません。また、大半は中小事業者であり、経営の規模もありません。それが、“半数が赤字”という現状に結びついているのだと思います」
エス・エム・エス 介護経営支援事業部 経営支援グループ 商品設計チーム リーダー 大日向佑介氏 |
超高齢社会を迎えた日本が直面している最も大きな課題の1つは、言うまでもなく「介護問題」だ。その解決に向けては、介護事業者の経営の安定化・健全化も当然不可欠である。
そこで、エス・エム・エスでは、中小規模の介護事業者の経営を支援する「カイポケ経営支援サービス」を2006年から提供している。介護給付金の請求ソフトや求人サービスなどを提供するものだが、最近そのサービス内容が大きく進化した。
iPad Airを活用して事務作業負荷を削減する「カイポケタブレット」を拡充。カイポケ経営支援サービスの会員約17,500事業所のうち、居宅介護支援事業所を運営する事業者に対し、2014年4月からiPad Airを無償貸与し始めたのである。