物理層改善で「攻めた設定」も
11bnの標準化で議論されているのは、こうした干渉低減に貢献する技術だけではない。信頼性向上のため、物理層の改善・強化も図られる。
1つが、誤り訂正符号であるLDPC(低密度パリティチェック)符号化の改良だ。LDPC符号のブロック長を倍ほどに伸ばすことで、誤り訂正と復号性能が向上。干渉がある環境でもデータを正しく復号できるようにする。
また、変調符号化方式(MCS:Modulation and coding schemes)の選択肢も追加し、より細かな設定を可能にする。
MCSは符号化方式と変調方式の組み合わせであり、無線環境の良い場合は高い変調方式を用いて高いデータレートを実現し、悪い環境では低い変調方式を使って確実にデータを届ける。11bnでは従来よりも細かな粒度でMCSを設定できるようにすることで「通信環境に応じてより細かく、『攻めた』設定をすることが可能になる」と足立氏。前述のようにAIを活用すれば、人の労力をかけず、環境の変化に応じてWi-Fiの性能を最大限に引き出す使い方が可能になろう。
11bnの標準化は、Draft2.0が2026年半ば、Draft3.0が2027年初めの公開で、最終的な承認は2028年に予定されている。Wi-Fi製品の多くが、Draft2.0仕様に則したかたちで早期に製品化される傾向にあるため、早ければ2027年にWi-Fi 8製品が市場投入される可能性もある。













