第5回ローカル5G合同検証会が開催、RedCap検証や基地局時刻同期の新技術など披露

ローカル5G普及研究会(委員長:東京大学 中尾彰宏教授)が2026年3月17日、第5回目となるローカル5G合同検証会を開催した。ローカル5Gの特徴である高速・大容量通信や低遅延通信の性能検証を実施したほか、新技術である5G RedCapの接続検証、基地局の時刻同期を簡易に実現する新技術も披露された。

5G SIB9で、ローカル5Gの「DNSS依存」を解消

ローカル5Gシステムの新技術要素としてもう1つ注目されるのが、東京大学中尾研究室とFLARESYSTEMS、ソフトバンク先端技術研究所による「SIB9信号を使った基地局同期」だ。

5G基地局の運用には高精度な時刻同期が不可欠であり、ローカル5Gももちろん例外ではない。具体的には、UTC(協定世界時)と1.5マイクロ秒の誤差の範囲で基地局の時刻同期を行う必要があり、時刻源としてGPS等のGNSSが使われる。

だが、GNSSの受信にはアンテナ設置場所の確保が必要なうえ、GNSSアンテナとケーブルの設置コスト、保守・運用負荷が課題となる。

「SIB9信号を使った基地局同期」は、この課題の解消を目指す取り組みだ。

SIB9信号を使った基地局同期

SIB9信号を使った基地局同期の仕組み

SIB9(System Information Block Type 9)とは、公衆5Gネットワークの5G SA基地局から5G端末に向けて報知される高精度UTC時刻情報である。既存の公衆5Gインフラから出されるこの信号をローカル5Gの時刻同期に活用すれば、GNSSアンテナ/ケーブルの設置・運用は不要になる(上図表)。

加えて、衛星電波が受信できない屋内や地下でも利用可能なうえ、5G信号はGNSSより受信電力が高いため、ローカル5Gシステムの安定運用にもつながる。

基地局同期信号を受信

公衆網の5G基地局からSIB9信号を受信

会場では、近隣の5G SA基地局からのSIB9信号を使った基地局同期を実施していた。高精度時刻同期はローカル5Gシステムだけでなく幅広い産業領域でニーズが高い。ソフトバンクでは、この技術を活用した時刻情報配信サービスを検討中という。

一体型基地局がさらに小型化、月25万円からのサブスクも

ローカル5Gシステムの導入形態も、ユーザーからの関心が高いポイントだ。これに関して興味深いソリューションを展示していたのが5Gコアと基地局(CU/DU/RU)の一体型システム「HYPERNOVA」を開発・提供しているNECネッツエスアイと東京大学だ。

汎用サーバーに通信に必要な全機能を集約した製品で、屋内設置用のデスクトップ型のほか、持ち運びやすいトランクケースに収容したタイプ(半屋外用)も提供しているが、今回、屋外設置向けにさらに小型・軽量化した一体型システムを展示した。スペイン・バルセロナで開催されたMWC26で展示した後、屋内では初披露となる。

従来の可搬型タイプ(右)と、新たにリリースする小型・軽量タイプ(左)

従来の可搬型タイプ(右)と、新たにリリースする小型・軽量タイプ(左)

同時に、月額25万円からの利用料で導入・運用できる「ローカル5Gマネージドサービス」の開始も発表した。従来の売り切りモデルと併用し、ローカル5G導入形態の選択肢を広げる。

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