「5Gスライシングに対応した開放ルール」の議論が開始、L2接続相当の早期実現目指す

MVNOの競争環境整備に向けて接続料の適正化などを議論する情報通信審議会 接続政策委員会において、「5Gスライシング提供に対応したネットワーク開放ルール」の議論がスタートした。MNO各社が5G SAサービス提供で先行するなか、MVNOが同様の高度な機能を活用できるよう、ネットワーク開放形態や接続料のあり方を議論する。早期実現が期待されるL2接続相当の開放や、技術的・制度的課題が多いライト/フルVMNO方式への対応が焦点となる。

「L2接続相当」は速やかに協議を進展

機能開放の形態としては現在、次の4つの類型について事業者間の協議が行われている。「L3接続相当(サービス卸)」は開放済みで、焦点となるのは「L2接続相当」「ライトVMNO(スライス卸/API開放)」「フルVMNO(RANシェアリング)」の3種類だ。

5G(SA方式)のスライシング提供に対応したネットワーク開放ルールの在り方

このうち、MVNOの多くが希望しているのが「L2接続相当」である。簡単に言うと、国際ローミングの方式を使って、MVNOがMNOのコアネットワーク(5GC)と接続する形態だ。なお、SA方式では、4Gおよび5G NSA方式(どちらもコアネットワークはEPC)で用いられてきた「L2接続」形態が使えない。

L2接続相当の機能開放が実現すれば、5G SAを使って従来の4Gサービスと同等のサービス提供が可能になる。事業者間協議が進展していることからも、事務局は「早急な開放が必要」と強調した。

L2接続とL2接続相当

L2接続とL2接続相当

具体的には、今後の事業者間協議により要件を満たす場合には、開放を促進すべき機能を指す「アンバンドル機能」に位置づけることが適当とした。総務省は協議状況等についてMNOから四半期ごとの報告を求め、その状況を注視しつつ、L2接続相当をアンバンドル機能と位置付けるタイミングについて検討を行うとしている。

ライトVMNOとフルVMNOも「実現可能性を検討」

一方、ライトVMNOとフルVMNOは4Gにはなかったもので、スライシング等の5G SA方式特有のサービスを可能とする開放形態だ(関連記事)。2025年2月の情通審「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方最終答申」ではこの2形態について、MNOにおいては、MVNOの具体的な要望を踏まえて技術的条件等の実現可能性の検討を行うことが適当としている。

VMNO(仮想移動通信事業者)とは5G SAを活用するための新たな通信事業者の形態であり、5GCの機能の一部を使って、例えば、MNOと同等のサービス設計を行ったり、低遅延通信などのニーズに柔軟に応えるサービスを提供したりできる。

ライトVMNOの構成イメージ ライトVMNO(スライス卸/API開放)の構成イメージ

ライトVMNOは、MNOから提供されるAPIを通じて5Gネットワークの機能の一部を制御する。フルVMNOは、独自に5GCを構築・運用し、MNOとRAN設備をシェアリングする形態だ。VMNOが独自の機能を実装することが可能になる。

フルVMNO(RANシェアリング)の構成イメージ

フルVMNO(RANシェアリング)の構成イメージ

スライシング提供に対応したルール、接続料の検討も

このように論点が整理されたところで、今後は、モバイル接続料の検証に係る事業者ヒアリングに合わせて、「5G(SA方式)のスライシング提供に対応したネットワーク開放ルールの在り方」についても、事業者からヒアリングを実施する予定だ。5月19日に予定されている接続政策委員会(第81回)でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3MNOとMVNO委員会、希望があればMVNO個社に対しても行う。

ヒアリングの内容としては、SAおよびスライシングの提供状況や、L2接続相当についてのアンバンドル要件などを論点に挙げている。また、スライシングの実現によって、超高速、多数接続、超低遅延といった性能・機能が異なるスライスの設定が可能になることを想定し、その際のデータ接続料の在り方についても意見を聴取する。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。