NECは2010年7月8日、通信キャリア向け事業(同社の事業セグメントにおける「キャリアネットワーク事業」)について、今後の成長戦略を発表した。
2010年度予想は対前期7%増
2009年度の売上高が対前年比20%減(6274億円)となった同事業だが、2010年度は7%増の6700億円となる見通し。さらに昨年から取り組む費用構造の改善効果による収益拡大も見込む(2010年度の営業利益予測値は400億円)。そのうえで、同社キャリアネットワークビジネスユニット取締役執行役員専務の安井潤司氏は、「成長性が高く、かつNECが強みを持つ重点事業領域に集中する」と戦略方針を説明。「2012年度に売上高9000億円、営業利益率9%」を目標に掲げた。
キャリアネットワークビジネスユニット取締役執行役員専務の安井潤司氏 |
まず、2010年度の売上高予想については、既存ネットワークのマイグレーション需要(国内)、海底ケーブルシステム事業の受注、ワイヤレスブロードバンド市場の投資回復(海外)などを増加要因に挙げた。
また、最近の成果として、①LTE/フェムトセル/WiMAXの次世代ワイヤレスブロードバンドソリューションのグローバル提供、②海底ケーブルシステムなどの海洋事業の進捗、そして③08年に買収したNetCrackerによる国内外の大手キャリアからのOSS受注獲得などを紹介。安井氏は、国内外の通信キャリアのネットワーク構築と製品納入の実績、今後展開されるクラウドサービスへの対応力などが同社の強みであるとした。
国内外のキャリアに次世代ワイヤレスブロードバンドソリューションを提供(クリックして拡大) | 2つの大型海底ケーブルシステムプロジェクトを完了(クリックして拡大) | NetCrackerがOSSで国内外から受注獲得(クリックして拡大) |