ビッグローブは2014年4月8日、事業方針説明会を開催した。
4月1日、資本がNECから投資ファンドの日本産業パートナーズに変わり、新コンセプト「未来、つながる」のもと、新たなスタートを切ったビッグローブ。とはいっても、会社名とブランド名に変更はあったが、社員、商品、パートナー、販売チャネルは従来と変わらず、これまでの事業を継続していく方向だ。
コンセプトを実現する事業の要素として挙げたのは「サービス」「ネット接続」「端末」の3要素。特に「ネット接続」については、別途の契約が必要である光回線、モバイル、Wi-Fiを組み合わせて利用できるようにし、「サクサク・どこでも・かんたん」にインターネット接続できるサービスを提供する「VNO(Virtual Network Operator)を目指していきたい」とビッグローブ代表取締役社長の古関義幸氏は述べた。
モバイル、Wi-Fi、光回線のシームレスな接続を目指す |
今回、ビッグローブが発表したうち、目玉となったのはウェアラブル端末の開発だ。
3G/Wi-Fi、バッテリーを内蔵する腕時計型端末で、スタンドアロンで3G通信が可能だ。また、バッテリーは試算によれば1日~2日もつ。現段階ではAndroid OSをのせただけの試作であるため、提供するサービスや料金は未定。今後は、OSにサービスをのせて検証を行い、「年内に商品化したい」と古関氏は意欲を見せた。
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試作品のウェアラブル端末を装着するビッグローブ代表取締役社長の古関義幸氏 |
そのほか、3つの新サービスの発表があった。①「BIGLOBE 3G・LTE」エントリープランの値下げ、②音声通話の提供、③モバイル機器補償ライト、だ。
①「BIGLOBE 3G・LTE」エントリープランの値下げは、消費税増税と同じタイミングの4月1日から実施した。これまで税抜で月額933円(税込980円)だったものを900円(税込972円)に変更。税込額で比較すると、増税前よりも少し安くなる。同様に、「BIGLOBE 3G・LTE」SIMと端末、通話アプリをセットにした「ほぼスマホ」も税抜で月額2809円から2776円に引き下げた。
②音声通話の提供は、依然として根強い090番号ニーズに応えたものだ。MNPのサポートも行う。サービスインは2013年7月の予定で、月額料、細かい仕様は未定としたがデータ通信プランにオプション追加する方向だという。
③モバイル機器補償ライトは、SIM契約者を対象としたサービス。月額300円で、SIMを挿したスマートフォン、タブレットの自然故障、水没、破損時に対し、修理代金を年2回まで最大3万円補償する。これは4月23日に提供開始という。
なお、今回の独立を機として、ビッグローブは上場を目指す考えを示した。
上場には3~5年ほどかかるとみている。