「偽・誤情報には事前対策を」 総務省、対策技術支援の成果を発表

フェイクニュースの蔓延が社会問題化するなか、総務省は偽・誤情報への対策技術の開発・実証を支援しているが、その成果を発信するイベントが開かれた。基調講演では東京科学大の笹原教授が“事前予防”の重要性を説明。また、NTT東日本らがフェイク電話音声を検知する技術を紹介するなど、採択技術の展示も行われた。

採択企業・団体が成果を展示 NTT東らはフェイク電話音声判定技術

会場では、事業に採択された企業・団体の展示も行われた。NABLASとNTT東日本は、共同開発したフェイク電話音声を見破る検知技術を紹介。NABLASの担当者によると、ノイズの少ない音声では高い判定率を示すAIモデルでも、電話を通した音声では判定率が半減する課題があった。

これに対し両社は、ノイズや環境音がある条件下でも生成AIによる偽物の電話音声を検知できる技術を開発した。すでに実環境で運用可能なアプリケーションを開発しており、通信事業者やWeb会議プラットフォーマーの実サービスへの実装を見込む。

NABLASとNTT東日本はフェイク電話音声を見破る検知技術を共同開発

NTTドコモビジネスは、報道機関でのファクトチェック業務負荷の削減を目的とし、「C2PA方式」を活用して情報の真正性を可視化する技術の開発・実証を行った(参考記事)。C2PA方式とは、写真等の画像ファイルに、作成者、作成日時、編集履歴などの改竄困難なメタデータを画像ファイルに付与することでコンテンツの来歴を確認できるようにする技術。

同社ではスマートフォンのカメラに対して撮影デバイスの真正性チェック機能と、撮影時にC2PA方式によるメタデータ付与機能およびメタデータの事前チェック機能を開発した。実証実験では85%の検知率を達成し、ファクトチェックに要する作業時間を15%以上削減した。今後はスマートフォンカメラに対して同技術の標準搭載を目指す。

また、関西テレビソフトウェアは、大規模災害時における偽・誤情報対策技術を紹介した。災害時は通信網が不安定になりやすいうえ、不安につけ込んだ偽・誤情報も広がりやすく、人命救助や復旧・復興の妨げになる。そこで同社は、放送波を活用して信頼できる情報を届ける仕組みを開発した。

同社が開発したスマホアプリ「防災コンパス」では、携帯電話基地局や充電スポット、あるいは発災状況といった災害時に必要な情報を、検証済み情報として放送波に重畳して送出し、避難所などに設置したIPDC受信機で受信する。被災者はWi-Fiなどを経由してその情報にアクセスし、アプリ上に示された各スポットへの方向や距離をもとに行動判断ができるという。

関西テレビソフトウェア「防災コンパス」のインターフェース

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