IoTセンサーとの違いは?
センシング手法としては、IoTセンサーを個別に設置する方法もある。しかし、広範囲をカバーするためには複数のセンサーの設置が必要で、センサーごとに配線や電源の確保も求められる。
一方、光ファイバーセンシングは、既設の光ファイバーをそのまま活用でき、光ファイバー自体への電力供給も不要なため、現場の施工負荷を抑えられる(図表2)。OKIの村井氏は、「光ファイバーが敷設済みで、数百m以上の距離であれば、光ファイバーセンシングの方がコスト面で優位になる」と説明する。
図表2 光ファイバーセンシングと従来型センシングの比較

また、従来のIoTセンサーが設置ポイントごとのスポット的な観測に留まるのに対し、光ファイバーセンシングは、敷設された光ファイバー全体を連続的に測定できる。
加えて、光ファイバーは電気を通さないため、落雷や電磁ノイズの影響を受けにくく、着火源があると火災・爆発のおそれがある防爆エリアでも利用可能だ。適切に施工・保守されていれば、20年以上にわたって使い続けることができるのも、光ファイバーセンシングの特徴の1つである。
鉄道や発電所などで導入広がる
先に触れた通り、グローバルではすでに光ファイバーセンシングの導入事例が多く生まれている。ファーウェイの曾氏によれば、「線路や鉱山、発電所などにおいて、人の侵入を検知する目的での導入が進んでいる」。例えば南アフリカの鉄道事業者は、ファーウェイのOptiXsenseを導入し、総延長約2230kmに及ぶ路線網を24時間365日体制で監視している。
導入前の約2カ月間にわたるPoCでは、線路内への人の立ち入りを高精度で検知できることを確認。実運用では、人の侵入を警備室へリアルタイムに通知する仕組みを構築し、レール沿いに敷設された銅製ケーブルの破壊・盗難被害の発生件数を約90%削減する成果を上げている(図表3)。
図表3 ファーウェイの「OptiXsense」を導入した鉄道会社の事例

国内の鉄道会社では本格導入に至っていないものの、NTT西日本とJR西日本が昨年11月、光ファイバーセンシングを鉄道分野に応用する共同検証に着手した。両社は、列車位置や落石・倒木の検出、線路上の異常検知などをユースケースと想定しており、乗客の安心・安全な移動環境の構築に向けて、光ファイバーセンシングを有効活用していきたい考えだ。









