総務省が解説! 「26GHz帯オークション」のポイント【後編】

総務省は2025年12月15日、ミリ波である26GHz帯の周波数を我が国初の価額競争(いわゆる周波数オークション)により5Gに割り当てるため、価額競争の実施に関する指針案を公表した。第8回(前編)に続き、公表した指針案のポイントや今後の動向を解説していく。

今後の進め方

以上が答申及び指針案のポイントである。

指針案については、2025年12月15日に公表し、意見募集や電波監理審議会への諮問等を経て、今年度内を目途に制定。その後速やかに、価額競争の参加申請を受け付け、参加資格の審査や保証金の提供等の所定の手続を経て、価額競争を実施し、周波数を割り当てる者を決定することとしている(図表2)。

図表2 26GHz帯の価額競争の主な流れ

図表2 26GHz 帯の価額競争の主な流れ

今回の価額競争は、新規事業者や地域事業者向けの専用枠(地域枠)を設けるなど、既存の大手事業者以外の多種多様な事業者の参加を想定した仕組みとしている。

また、我が国において初めて行われる価額競争であることから、価額競争のルールや参加手続等を分かりやすく解説したマニュアルや資料の作成に努めるなど、できるだけ多くの方々に価額競争に参加いただけるような環境を整備していきたいと考えている。さらに、遠隔地からも価額競争に参加できるよう、オンラインシステムを用いて価額競争を実施することとしている。

ミリ波普及への期待

ミリ波については、諸外国においても割り当てが着実に進んでおり、直近では、2025年10月に英国で26GHz帯と40GHz帯のオークションが行われ、携帯電話事業者3社が落札をしている。また、カナダにおいても、今後、26GHz帯等のオークションを実施するため、現在、具体的な検討が進められている。

我が国においては、2019年に28GHz帯を5G向けに割り当てており、今回、26GHz帯を割り当てることにより、我が国におけるミリ波の割当帯域は一層増すこととなる。さらに、今回の価額競争の実施により、多種多様な事業者の創意工夫や柔軟なネットワーク展開を通じて、これまでの割当てでは実現しなかった新たなミリ波の活用方策が登場することも期待している。

総務省は2025年6月に「デジタルインフラ整備計画2030」を策定し、2030年頃を見据えて必要となるデジタルインフラの整備方針等を定めた。その中で、モバイルネットワークについて、「5Gならでは」の実感を伴う高品質な通信サービスの普及拡大を図るため、高周波数帯(サブ6・ミリ波)を利用可能なエリアの拡大等に向けて一層のインフラ整備を促進するとともに、高周波数帯のユースケース創出に積極的に取り組むこととしており、価額競争もそれを実現するための主要な施策の1つとして位置づけている。

今後、AIの利活用がさらに拡大し、モバイルネットワークの通信トラヒックのさらなる増大が見込まれる中、広い帯域幅を確保できるミリ波の十分な活用は、高品質な通信サービスの普及拡大に不可欠なピースと考えている。その実現に向けて、ミリ波対応端末の普及やミリ波の特長を十分に活かせるサービスの創出等が課題となるところ、今回の26GHz帯を対象とした価額競争による割当てを通じて、これらの課題の解消が進み、ミリ波の普及拡大が大きく進展することを期待している。

武田理人(たけだ・りひと)

2018 年総務省入省。主にデジタル政策や地方自治政策に携わり、総合通信基盤局料金サービス課、国際戦略局技術政策課、自治財政局調整課を経て2023年7月より現職

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