FMSとRedCapで近付く“真のスマート化” 基幹システムとの連携も視野
今回の実証実験の結果を受け、Industry Alphaでは5G RedCapの適用を搬送ロボットからエレベーターなど建物側の設備へと拡大していく考えだ。こうした取り組みの先に高度なスマート工場・倉庫の実現が見据えられるが、渡辺氏は「そのためには、初期段階から拡張を前提に設計することが不可欠です」と話す。
FMSはすでにメーカーに採用され、エレベーター連携を含めたAMR制御に活用されている。「1年目は完成ラインから検査場までの搬送自動化を行い、2年目はロボットアーム・センサーとの連携、3年目はエレベーター連携による階層間搬送というように、段階的に拡張させることがFMSでは可能です。このようなステップを踏むことがスマート工場・倉庫の成功のカギです」と渡辺氏は説明する。
拡張に伴い接続端末が増加すれば、通信の安定性や同時接続性の重要性はさらに高まる。松浦氏は通信機器ベンダーの立場から、「FMSが実現していることはシステム全体のオーケストレーションです。最初に環境を整備しておき、その後に端末を増やしていくという考え方を取れることは合理的です」と評価する。
Industry Alphaでは今後、FMSの範囲を生産ライン設備にも拡張し、工場・倉庫内の各種システムや企業の基幹システムと連携することを視野に入れている。また海外展開も見据え、デジタル要素を含む製品に対して設計段階からのセキュリティ確保や脆弱性管理を求める欧州サイバーレジリエンス法(EU CRA)など、国際的なセキュリティ規制への対応も進めている。
渡辺氏は、「お客様の『ここまで実現したい』といった要望に応えた機能を提供していきます」と話し、こう続ける。「ローカル5Gをあらかじめ整備しておくことで、通信面の不安を解消できます。そのうえで5G RedCapを活用すれば、用途に見合った通信性能を確保しながら、端末コストや実装面の負担を抑えることが可能になります。ローカル5G基盤とFMSを組み合わせ、『すべての機器をつなげる』スマート工場・倉庫を実現したいと考えています」
須藤氏は、「ローカル5GとRedCapの活用の場として特に倉庫に注目しています。物流業界の人手不足が深刻化する中で倉庫DXを推進する必要性が高まっており、AMRやFMSの活躍の場が広がっています。Wi-Fiの導入も進んでいますが、倉庫内機器が増えていくほど電波干渉の懸念は高まり、かつ広い倉庫内を移動する機器を接続するとハンドオーバーも生じます。倉庫にAMR等の機器を導入してから無線通信の課題が顕在化し、無線環境の測定・調査やシステム導入などの対策を行うケースが多いですが、当初のDX計画段階から通信インフラも含めて検討しておけば防げるケースもあります。倉庫内にどのような機器を入れていきたいか、どのようなデータ連携を行うべきか、現在の状況と目指す将来構想の絵を整理し、その上で必要な通信インフラ像を固めるべきです」と訴える。
そして、「倉庫DXをマクロな視点で捉えながら効果的に推進する上で参考となる情報を提供すべく『倉庫DXナビ』というWebサイトを公開するとともにホワイトペーパーを発行しました。閲覧いただき、倉庫におけるローカル5GやRedCapの活用性を考えるきっかけとしていただけたらと思います」と結んだ。

(左から)FLARE SYSTEMS 取締役 営業本部長 松浦晋之介氏、Industry Alpha 代表取締役 渡辺琢実氏、キャンパスクリエイト 専務取締役 須藤慎氏
<お問い合わせ先>
株式会社キャンパスクリエイト
TEL:042-490-5728
E-mail:open-innovation@campuscreate.com
URL:https://www.campuscreate.com
プロジェクトWebサイト:https://www.campuscreate.com/next5g/
Industry Alpha株式会社
URL:https://www.industryalpha.net/
株式会社FLARE SYSTEMS
E-mail:sales@flare-systems.co.jp
URL:https://flare-systems.co.jp/
<ご参考>
東京都「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」
URL:https://next-5g-boosters.metro.tokyo.lg.jp
CLO(物流統括管理者)が牽引する倉庫DX―― 年間125時間の荷待ち・荷役時間削減へ
URL:https://forbesjapan.com/articles/detail/91034












