2013年11月22日、東京都港区の青山TEPIAで開催された「MCPCモバイルソリューションフェア2013」の基調講演で、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課長の布施田英生氏が、4G(第4世代移動通信システム、IMT-Advanced)に向けた電波割当の方向性や5G(第5世代移動通信システム)の標準化に向けた動きなどを説明した。
布施田氏は、まず移動通信の現状を説明。データトラフィックが直近の1年間で1.7倍に増加しており、2015年には最大で2010年の39.1倍(年平均2.08倍)になるとする試算を示した。
この伸びを牽引しているのがスマートフォンを中心としたLTE端末の普及だ。今年9月末時点で加入者の25%を占め、データトラフィックでは50.5%がLTE端末によるものになっているという。
2020年までに新たに1.5GHz幅を確保
そのうえで布施田氏はその受け皿となる新たな周波数の確保について説明した。2011年に総務省の周波数検討ワーキンググループが打ち出した「2015年までに300MHz幅超を新たに確保する」という目標はすでに達成し、現在は「2020年までに1.5GHz幅超を確保する」という次のステップに向けた取り組みを進めているとした。
その一環として2015年の世界無線会議(WRC-15)に向けて、3.4-3.6GHz、3.6-4.2GHz、4.4-4.9GHzの計1.3GHz幅を3G/4G携帯電話の世界共通バンド(IMTバンド)として提案する準備を進めているという。現状では日本の独自バンドとなっている1.5GHz帯(1427.9MHz~1510.9MHz)も、IMTバンドとして提案する意向だ。布施田氏は「今後、ITUの会議でのアピールやアジアでの仲間づくりを通じて、日本が提案する周波数をできるだけ多く国際周波数にしていきたい」と意欲を見せた。