幕張メッセには“操作パネルだけ” Inter BEEでリモートプロダクション実証

映像・放送機器の展示会「Inter BEE 2025」で、今年も大規模なリモートプロダクション実証企画「IP PAVILION」が開催された。今回は、プライベートクラウドとパブリッククラウドという2つの異なるクラウド基盤を用いて制作環境を構築し、APN、専用線、ベストエフォート型の複数回線を組み合わせて接続するという、より実践的な検証が行われた。

回線提供3社がディスカッション 「何がつながっているかわかる貴重な機会」

IP PAVILIONに隣接したセミナー会場では連日出展社によるリレーセミナーが開催された。20日には、IP PAVILIONに回線を提供したNTTドコモビジネス、ソニービズネットワークス、輝日の3社がパネルディスカッションに登壇した。

(左から)NTTドコモビジネスの桑原世輝氏、ソニービズネットワークスの木南公佑氏、輝日の佐藤大哲氏

(左から)NTTドコモビジネスの桑原世輝氏、ソニービズネットワークスの木南公佑氏、輝日の佐藤大哲氏

登壇者はそろって「(光ファイバーなどの)回線設備自体は大きく変わっていない」と述べた。そのうえでNTTドコモビジネス イノベーションセンター IOWN推進室 エンジニアリングマネージャーの桑原世輝氏は、既存の光回線を活用しながら新しいネットワークアーキテクチャであるAPNを導入することで「遅延や揺らぎが大幅に減った」と説明した。こうした方式の進化が、放送局にとっての体感品質を大きく変えているという。

ソニービズネットワークス ソリューション営業本部 西日本営業部 部長 兼 ビジネス開発部 課長の木南公佑氏は「プロトコルの進化で回線越しに機材を操作できるようになった」、輝日の佐藤氏は「コロナ禍でリモート操作ができる装置の開発が進み、専用線レベルでしか使えなかった装置が多少パケットが落ちても使えるようになった」と、回線両端に接続する機材とワークフローの進化を指摘した。

また、IP PAVILIONの意義について桑原氏が「放送局が回線をどう使っているかがわかる場」と語ると、木南氏、佐藤氏も同調。佐藤氏は「エンドの客が何をつないでいるかを見る方法はない。この場では何がつながっているかを見る・体感することができる貴重な機会」と佐藤氏は述べた。

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