SPECIAL TOPICAIデータセンターを光スイッチで革新 ホテルLANもPON技術でオール光化

ファーウェイが、通信事業のオール光ネットワークに用いられるキー技術を活用したデータセンター向け/企業向けソリューションの展開に力を入れている。10月に、世界初となるAIデータセンター向け光スイッチ(DC-OXC)を日本市場に投入。PON技術をベースとした光LAN(POL)の導入もホテルを中心に加速してきている。

PON技術で構内LANをオール光化 ホテルのほか工場・オフィスにも

ファーウェイが、オール光ネットワークの技術を活用しているのはOXCだけではない。もう1つの注力領域が、光アクセス網に使われているPON(Passive Optical Network)技術を用いたPOL(パッシブ光LAN)だ。ファーウェイ・ジャパンの牧沢宗弦氏は「PON技術を企業ネットワークで活用する動きがグローバルでは1つのトレンドになっており、ホテルをはじめ、工場やオフィスビルなどで導入が進んできています」と話す。

ファーウェイ・ジャパン ICTマーケティング&ソリューションセールス本部 光技術ソリューションセールス部 牧沢宗弦氏

ファーウェイ・ジャパン ICTマーケティング&ソリューションセールス本部 光技術ソリューションセールス部 牧沢宗弦氏

POLは、OLT(局側の光回線終端装置)とONU(宅内終端装置)、その間をつなぐ光ファイバーやスプリッターで構成される。一般的なイーサネットLANよりも消費電力が少なく、敷設した光ファイバーを長期間(約30年)利用でき、同じ光ファイバー設備で将来の高速通信にも対応できるなどの利点がある。

図表3は、大規模ホテル向けの構成例だ。このネットワークでは、客室などに配置されるONUや光アクセスポイント(光AP)と、中央のOLTとの間で光通信が行われる。OLTとONU・光APから先の部分はイーサネットLANやWi-FiによるIP網として提供され、この上でホテル業務に不可欠な電話やIPTV、監視カメラ、インターネット接続などのサービスが提供される。

図表3 大規模ホテルでのIP+POLソリューションの構成例

図表3 大規模ホテルでのIP+POLソリューションの構成例

日本でも最近、大規模ホテルでのPOL導入例が増えてきている。その1つが伊東温泉(静岡県)の「サンハトヤ」だ。今年4月に200名以上を収容できる大規模宴会場3室のWi-Fi設備をPOLを用いて更新。年内をめどに191の客室にWi-Fi 7対応の光APを整備する計画が進められているという。

POLの導入を決めた理由の1つが、配線の容易さだ。館内の配線スペースは既存のネットワークで利用されており、入れ替えには多額の費用が必要だが、ファーウェイが展開する透明光ケーブルやリボンタイプの光ケーブルを利用すれば、露出配線や空きスペースを活用して短期間・低コストに設備が更新できる。海に面したサンハトヤで課題となっていた塩害によるケーブルの劣化も、光ケーブルへの更新で解決される。

このほかにも都心の外資系ホテルや来年開業するラグジュアリーホテルなど、多くの案件が進行しているという。

ホテルでPOLの導入が進んでいる最大の理由はコストだ。牧沢氏によれば、「イーサネットベースのシステムに比べて、導入費用を約3割低減できる」。

POLの利点が十分に認知されていないことや、新技術への抵抗感、提案できるSIerが限られていることなどが普及のネックになってきたが、ここにきて「他社との差別化のためPOLを積極的に提案されるパートナーも増えてきている」(牧沢氏)という。遠からずPOLの普及に弾みがつきそうだ。

Inter BEE DX × IP Pavilionで最新機器を紹介

ファーウェイ・ジャパンは、2025年11月19日~21日に幕張メッセで開催されるInter BEE DX × IP Pavilionに出展する。MoIPに対応した、ハーフスロットのフレキシブルカード4枚を搭載できる「Cloud Engine 8865-4C」をプライベートクラウドの基幹インフラに設置し、幕張メッセ側の機器と一緒にハイブリットクラウドの実証実験としてのデモを実施する。

4枚のハーフ幅フレキシブルカードと5種類のカードの柔軟な組み合わせをサポートする「Cloud Engine 8865-4C」

会場内セミナーには、同社のMedia担当MoIPアンバサダーである池田俊樹氏が登壇。IP Pavilionの概要に関する説明のほか、オンプレミスとクラウドが共存する環境における最適なインフラ設計について、実証から見えた知見を紹介予定だ。MoIPの「現在」と「これから」を知る、絶好の機会となるだろう。

【Inter BEE 2025出展】
・2025年11月19日(水)~21日(金)
・ブース小間位置:映像制作/放送関連機材部門 Hall 3「3501」

【池田俊樹氏 講演】
日時1:11/20(木) 10:30-10:50
※ 予定は変更になる場合があります
セミナータイトル:IP Pavilion概要

日時2:11/21(金) 13:30-14:20
セミナータイトル:ハイブリット時代のインフラを深掘る
―オンプレとクラウドが共存する時代のアーキテクチャ設計と実証から見えた知見―

<お問い合わせ先>
華為技術日本株式会社
TEL:03-6266-8008
E-mail:optical.jp@huawei.com
URL:https://e.huawei.com/jp/solutions/enterprise-optical-network

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