ワークスタイル変革Day UCサミット2013レポートシスコ石原氏「UCの次は“リアル”と“バーチャル”という2つの働く空間の統合だ」

「ユニファイドコミュニケーション(UC)」という言葉を生み出したシスコシステムズが今、UCのさらに先を行く新しいコンセプト「ユニファイド ワークスペース」を打ち出している。リアルと仮想的な働く空間の統合により、働き方の全体最適が可能になるという。

「オフィスの在り方は間違いなく変わっていく。どう変わるかというと、“働く場所”から“顔を会わせる場所”へとオフィスの役割は変わっていく」

9月10日に開催されたイベント「ワークスタイル変革Day」の講演の中で、これからのオフィスの存在意義について、こう説明したのはシスコシステムズの石原洋介氏だ。オフィスの役割が変化するのは他でもない。“新しい働き方“が実現可能になっているからである。

シスコシステムズ 石原洋介氏
シスコシステムズ コラボレーションアーキテクチャ事業 エバンジェリスト 石原洋介氏

「昔は『オフィスでないと自分の力が発揮しにくい』『オフィスでないと稟議書に判子を押せない』『自席でないと内線・外線に応答できない』といった“オフィス中心の働き方”だった。それが今後は、自分の居場所で自分の力を100%発揮できる、“人中心の働き方”にどんどん変わっていく」

場所を選ばず、どこでも働ける環境が実現すれば、従来「働く場所」だったオフィスの位置づけは当然変化する。同僚と顔を合わせて様々なイノベーションやアイデアを生んでいく場所へと、その役割は変化してくべきだと石原氏は説く。

これからのオフィスの在り方
これからのオフィスの在り方

そこで、シスコが提案しているのが「ユニファイド ワークスペース」という新しい考え方だ。ユニファイドコミュニケーション(UC)が従来バラバラに構築・運用されてきたコミュニケーション手段の統合であるのに対して、ユニファイド ワークスペースとは、リアルな働く空間であるオフィスと、ITによる仮想的な働く空間の統合である。

「今まで別々に企画・構築されてきた、この2つのワークスペースを、働き方の全体最適という観点で統合しよう」

ユニファイド ワークスペースの具体像とは?

リアルとバーチャルな働く空間が融合したユニファイド ワークスペースの具体像について、石原氏はシスコ自身の実践例やデモを通して説明していった。

ユニファイド ワークスペースの概要
ユニファイド ワークスペースの概要

シスコのオフィスは、しきりのない見通しの良いフロアーとなっているのが特徴だ。このため、顔を上げて周りを見渡せば、相談したい相手を見つけることができる。そして、共同作業のためのコラボレーションスペースがオフィス内に多く用意され、「オフィスのどこでも、パッとみんなが集まってプロジェクト会議ができる」。もちろん無線LANも整備されているから、どこからでもネットワークにアクセス可能だ。

見渡せるフロアー コラボレーションスペース
見渡せるフロアーやコラボレーションスペースの多さなどが特徴のシスコオフィス

さらに、共同作業できる相手は、リアルな空間を共有する人だけにとどまらない。オフィスの至るところにビデオシステムが置かれ、別の拠点や外出先にいるメンバーなどとも手軽に共同作業できるようになっている。つまり、バーチャルなワークスペースとの統合である。

ビデオ会議に対して、「ビデオ会議室に行って、使い慣れないリモコンを操作して始めるもの」というイメージを抱いている人も多いだろうが、シスコのソリューションは違うと石原氏は強調する。まずは操作方法。内線番号で内線をかけるだけで、ビデオコミュニケーションが始められる。

専用のビデオ会議端末間だけでなく、PCやタブレット、ビデオ機能が付いたIPフォンなど、様々なデバイス間でビデオコミュニケーションが行えるのもポイントだ。エグゼクティブは自室に置かれたデスクトップビデオ端末から、外出中の人はiPadから、といったように自分が現在いる場所から会議に参加できる。

ビデオだけではなく、テキストチャットや音声通話、Web会議による資料共有など、そのとき最も適したコミュニケーション手段に切り替えながら共同作業を進めていくことも、UCだから当然可能だ。

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