業務用無線をリプレース――携帯キャリアが狙う200万台市場

車載用トランシーバ市場に携帯電話キャリアが相次いで参入している。3G回線の基地局を使うことで新たな設備の構築が不要という便利さから、商用車以外の業種にも広がりが期待できる。

自治体や警備会社も関心

ドコモは今年5月に開催されたM2M関連の展示会に車載型パケット対応トランシーバサービスを出展したところ、自治体や警備会社、マスコミなど業務で無線を活用している業界から多くの引き合いがあった。

なかでも自治体は防災無線がアナログからデジタルへの移行期にあり、高い関心を示しているという。タクシーやバス、トラックにとどまらず、幅広い業種への展開が見込めることで、ドコモは5年で30万台以上の販売を目標に掲げる。

ソフトバンクは契約目標については非公表だが、工事現場の重機などへの導入も進んでおり、「数十万は獲得できるのではないか」(ソフトバンクモバイルプロダクト・サービス本部エンタープライズ・サポート統括部エンタープライズ・サービス部ES1課課長の上竹勝彦氏)と期待を寄せる。

大手キャリアの中でKDDIは唯一サービスを提供していないが「来年参入する」(業界関係者)との声も聞かれる。車載用トランシーバ市場におけるキャリア間のパイの奪い合いは当分続きそうだ。

月刊テレコミュニケーション2013年8月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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