メルー・ネットワークスは2010年6月22日、日本法人の新体制発足記者説明会を開催した。同社は2010年4月に司馬聡氏が代表取締役社長に就任し、新体制で発足した。司馬社長は2008年1月~09年4月まで米国のRFIDネットワーク設備メーカーであるReva Systems社のアジア担当副社長兼Reva Systems Japanの代表取締役社長を務めていた。
日本法人の社長に就任した司馬聡氏 |
司馬社長は国内のWi-Fi利用の現状について、スマートフォンの急速な普及により、Wi-Fi設備の密度が高まって行き詰まっている問題を指摘。「これを唯一クリアできるのがメルーのソリューションだ」とアピールした。同社は日本市場では大学などの教育機関で強みを発揮しており、国立大学の14%がメルーの無線LANソリューションを導入している。iPadやKindleなどの登場で今後は電子書籍の普及が予想され、各学校でもWi-Fiインフラの重要性が増すとみられるが、司馬社長は説明会後に「教育機関への導入実績が豊富という当社の強みが発揮できるので期待している」と述べた。
司馬社長の挨拶に先駆けて、米Meru Networksのイハブ・アブー・ハキマ社長兼CEOがグローバルの事業概要を説明した。同社は現在、世界38カ国で事業を展開し、3000顧客以上がメルー製品を採用しており、NASDAQにも上場を果たしている。
グローバルの事業概要を語る米Meru Networksのイハブ・アブー・ハキマ社長兼CEO |
メルーの技術の優位性は、複数のアクセスポイント(AP)を仮想的に1つのAPとして運用する「シングルチャネル」による無線LANの仮想化だ。ハキマ社長兼CEOは、「従来のマイクロセルは、カバレッジホールが発生して複雑なサイトサーベイが必要になるなど課題があるが、当社の技術なら電球を取り換えるくらい簡単に対応できる」と述べた。
無線LAN仮想化技術の特徴 |
現在注力しているのは、エンタープライズ向けのIEEE802.11n無線LANソリューションだ。すでにメルーの出荷の90%以上が802.11n対応製品という。ハキマ社長兼CEOは「他社も11nで追随してくるだろうが、我々はすでに他社比で圧倒的な経験値を有しており、今後も802.11nで業界のリーダーシップがとれるだろう」と語った。