Wi-Fiで遭難者の位置が誤差数m ソフトバンクと東京科学大学が開発

ソフトバンクと東京科学大が、Wi-Fiを活用して遭難者の位置を特定する新システムを開発した。GNSSによる一次特定と組み合わせることで、通信圏外の雪下に埋まった遭難者の捜索時間を大幅に短縮可能だという。

一次特定位置に到着後、約10分で遭難者を発見

科学大の藤井輝也特任教授は、「新システムでは、携帯端末に搭載されているWi-Fi機能を活用して、遭難者の端末位置の推定誤差を数m以下にすることができる。実証実験では、一次特定位置に到着後、約10分で遭難者の位置を割り出すことができた」と説明した。

遭難者の位置だけでなく、捜索者の位置もモニター上で確認できるため、すでに捜索した場所の二重捜索や捜索者遭難の二次災害も防止できるという。

GPS情報で20メートル四方まで狭め、Wi-Fi情報で半径数メートルまで特定

GNSS情報で20メートル四方まで狭め、Wi-Fi情報で半径数メートルまで特定

位置の二次特定には、Wi-Fi電波の受信電力(RSSI)を用いる。一次特定位置に到着した捜索者は、Wi-Fi指向性アンテナ、RSSIモニターを搭載したスマホ、Wi-Fiアクセスポイント(「遭難対応AP」)で構成される装置を使って、遭難者の端末との通信を確立後、受信電力が最大になる方向へ進みながら遭難者を探す。しきい値を超えると効果音で知らせる機能を搭載するため、捜索者は常時RSSIモニターを見る必要はないという。遭難者のスマホには、事前に専用アプリがインストールされている必要がある。

Wi-Fi指向性アンテナにWi-FiアクセスポイントとRSSIモニターを接続して用いる

Wi-Fi指向性アンテナにWi-FiアクセスポイントとRSSIモニターを接続して用いる

藤井氏は「このシステムは、全国各地の消防各機関の訓練等ですでに試用もされており、実用化を今後目指していきたい」と語った。

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