「IEEE802.11acの認定プログラムは最終段階。6月のリリースを予定している」――。Wi-Fi Alliance マーケティング&プログラムマネジメントディレクターのケリー・デイヴィス フェルナー氏は4月15日、都内で記者会見を開催し、6月からIEEE802.11acの認定プログラムを開始する計画であることを明らかにした。
標準化作業を進めるIEEEのほうではまだ11acはドラフトの状態で最終承認されていない。フェルナー氏は「私どもの認定プログラムのほうが、IEEEでのファイナリゼーションより前ということになる。市場がIEEEより先を行くことはよくあることだ」と説明した。
その市場ではつい最近11acのドラフト版に対応した無線LAN機器が登場し始めたところだが、標準化の完了を待たずに、Wi-Fi Allianceでの認定もいよいよスタートすることになる。
IEEE802.11acの主な特徴 |
11acは11nの次世代規格で、「11acデバイスは最高1.3Gbpsのデータレートを実現する」(フェルナー氏)。利用する周波数は5GHz帯。2.4GHzと5GHz帯に対応する802.11nと違い、5GHz帯専用となっているのが特徴の1つだ。11acデバイスは、2.4GHz帯は11n、5GHz帯は11acというデュアルバンド対応になる。
Wi-FiおよびWiGig対応チップセットの出荷予想 |
11adの認定開始は2014年
次世代無線LANとしてはもう1つ、IEEE802.11ad(WiGig)もある。60GHz帯を用いる11adは、10mほどの短距離での大容量通信用途で期待されており、「HD動画を非圧縮でストリーミングできる。また、テレビゲームをレイテンシ(遅延)なしで楽しむことが可能だ」(フェルナー氏)。WiGigからWi-Fiへのシームレスなハンドオーバーも実現されるという。
同氏によると、Wi-Fi Allianceが11adの最初の認定プログラムの提供を開始するのは「2014年初め」になるそうだ。
IEEE802.11ad(WiGig)の主な特徴 |
なお、11adについてはWireless Gigabit Allianceで策定や普及促進活動が行われてきたが、今後はその活動をWi-Fi Allianceに統合することが決まっている。