NECは2025年3月24日、放送局がMedia over IP(MoIP)に関する各種検証を行える施設「MoIPラボ」を東京都府中市の同社府中事業場内に開設したと発表した。
NEC「MoIPラボ」の環境
現在、放送基幹設備のIP化はサブシステム単位で進行しており、インフラの可用性や安全性、柔軟性といった観点から、実運用前に十分な検証を行う必要がある。
こうしたニーズに対応するため、同ラボは「マスターシステムおよびサブシステムを含む各種放送機器との相互接続検証」や、「他拠点やクラウド環境との接続検証」、「ネットワーク負荷試験や長時間稼働試験(ロングランテスト)」、「セキュリティ検証」などが実施可能な設備を備える。
「MoIPラボ」概要図
具体的な用途として、次世代放送設備のPoCや、放送局の持ち込み機材との接続検証、さらに同社が提供する監視ソリューションやマスターシステムのデモンストレーションなどを想定している。
NECは今後も同ラボの検証環境を拡充し、放送局におけるIP化の推進や、それに伴う人材育成の支援に取り組んでいくとしている。