業務アプリとセキュリティツールの人気No.1は? Oktaが年次調査を発表

アイデンティティ管理サービスを提供するOkta Japanが、業務アプリの利用動向を調査する年次レポートの最新版を発表した。1社当たりの導入アプリ数は、世界平均で100を突破。日本は半数以下の46ながら、前年比31%増と国別で最も高い成長率を記録した。セキュリティツールについても、日本だけがVPNとファイアウォールの導入率が急増する特異な傾向が見られた。

セキュリティツールにも日本独自の傾向

セキュリティツールの利用動向にも、日本の特殊な傾向が見られた。

カテゴリー別の導入企業数ではVPN/ファイアウォールが最多であり、前年比で2%増加。パスワード管理も前年比9%と高い成長率を示した。

最も利用されているセキュリティツール

最も利用されているセキュリティツール

また、データコンプライアンスは前年比50%増で、「最も急成長しているツール」となった。イソラ氏によれば「カナダで前年比63%増、米国で前年比46%増と大きく成長している」。

下図表の通り、急成長しているセキュリティツールのカテゴリは国別に大きく異なる。日本はVPN/ファイアウォールが前年比32%と急成長しており、「ネットワークセキュリティを重視している」(同氏)傾向が明らかとなった。

国別の急成長しているセキュリティツール

国別の急成長しているセキュリティツール

また、セキュリティに関しては世界的に「多要素認証(MFA)の導入を強化している」傾向が見られる。

認証要素にも変化があり、フィッシングへの耐性がある「パスワードレス認証が急速に普及している」(イソラ氏)。ログイン時に、あらかじめ登録しているデバイスかどうかを確認するOkta FastPass機能の利用が前年比で52%も増加。生体認証も前年比16%成長した。一方で、SMSやボイスコールによる認証は前年比14%減少している。

国別でみると、パスワードレス認証の利用数は、1位がフランス、2位が米国、3位が日本となった。ただし、生体認証の利用割合は日本が11%と、他国と比べて低い。「デバイスの対応が遅れていることがその理由と考えられる」とイソラ氏は分析した。

パスワードレス認証の国別利用数

1アカウント当たりのパスワードレス認証の平均数(国別)

サイバー脅威の増大を背景に、こうしたフィッシング耐性のある認証への移行が加速するとOktaは予測している。安全性を確保しつつシームレスなアクセスを実現するため、企業はパスワードレス認証を推進する必要があるとイソラ氏は話した。

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