HTC、日産にローカル5GエッジクラウドVR技術を提供しデザイン業務支援

HTCは2025年3月5日、グループ企業であるHTC G REIGNSを通じて、日産自動車に「ローカル5GネットワークおよびエッジクラウドVRソリューション」を2024年に提供したことを発表した。​この技術により、日産のデザインチームは、安定性、低遅延、高セキュリティを備えた没入型の協働環境を実現し、設計プロセスの効率を向上させたという。

HTC G REIGNSの一体型ローカル5G基地局装置

HTC G REIGNSの一体型ローカル5G基地局装置

日産自動車はこれまでもHTCのVR技術を活用し、3Dデジタルモデルを仮想空間に投影することで、車両デザインの精度向上を図ってきた。​しかし、デザインの細部をより正確に表現する必要性が高まるにつれ、従来の無線通信技術では遅延や帯域幅の制約による映像の不安定さが課題となっていた。​

今回採用されたソリューションは、ローカル5Gネットワークを活用し、PCとヘッドマウントディスプレイを干渉のないセキュアな環境で接続。​エッジコンピューティングとの組み合わせにより、リアルタイムで高精細な3Dモデルのレンダリングが可能になった。​これにより、デザインチームは遅延のないスムーズな設計作業を行いながら、製品開発サイクルの短縮と意思決定の迅速化を実現したとしている。

HTCは同ソリューションの技術的な特徴・利点として以下の3点を挙げている。
(1)高セキュリティなローカル5Gネットワーク。デザインデータの漏洩リスクを抑え、機密情報を安全に管理するという。
(2)エッジコンピューティングによるリアルタイム処理。​リモートストリーミング技術と連携し、高解像度3Dモデルの即時レンダリングを実現するとしている。
(3)柔軟な設計協働環境。最大10数人が同時にディスカッション可能な環境を提供し、チームの創造力を最大限に引き出すとうたう。

HTC G REIGNSはHTCの100%子会社で、O-RANに準拠した5G RANソフトウェアソリューションを中心に展開している(参考記事)。

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