東京都および東京都中小企業振興公社は2025年1月30日、5Gによる製造工場のDX・GX推進事業の採択企業3社を決定したと発表した。
同事業は、都内中小企業がローカル5Gを活用して、製造工程の自動化、遠隔指導等のDXを推進する取り組みおよび再エネ・省エネ対策等のGXを推進する取り組みに対して、必要な経費の一部を助成するとともに、工場の変革に向けたハンズオン支援を行うものだ。
採択企業は、大森クローム工業(大田区)、古賀電機(品川区)、日本電業工作(千代田区)。申請テーマと概要は次の通り。
大森クローム工業は、遠隔ロボットによる技能承継改善(DX推進)、およびAGVによる生産性向上(GX推進)にローカル5Gを活用する。本事業で工場にローカル5Gを導入し、本社から工場へのロボットの遠隔指導による技能承継に加え、工場内にEV対応の無人搬送車(AGV)を導入することで、DX・GXを推進する。
大森クローム工業の活用イメージ
古賀電機も、ローカル5Gを用いた加工技術伝承(DX推進)と自動生産技術の高度化(GX推進)に取り組む。本事業で建設予定の工場にローカル5Gを導入。ウェアラブルカメラ等を活用した技術承継に加え、工場内にEV対応の自律走行搬送ロボット(AMR)を導入することで、DX・GXを推進する。
古賀電機の活用イメージ
日本電業工作は、ローカル5G活用によるDX・GX融合で実現する先進的なエネルギー管理の構築と促進に取り組む。
通信事業者用アンテナ等の製造を行う同社は、工場内に通信網が整備されていないエリアが存在すること、工場内の生産工程やエネルギーに関するデータが収集できていないことが課題となっている。そこで、本事業で工場にローカル5Gを導入し、工場全体に設置する各種センサーからデータを収集。BI(ビジネスインテリジェンス)化することで、工場内の生産性の向上や最適なエネルギー配分の実現等のDX・GXを推進するとしている。