メール・提案書作成時間を大幅削減
鈴木氏によると、これまでの法人向け生成AIサービスには、いくつかの課題があった。「コスト面で導入が難しいだけでなく、セキュリティ設定や、管理者がユーザーのAI使用状況をトラッキングできる機能が不足している。AIを導入しても全然活用されないという話も数多く聞いている」。こうした問題の解消を目指し、Rakuten AI for Businessの提供を始めたと説明した。
これまでの法人×AIの課題
楽天グループでは、すでにRakuten AI for Businessの活用を推進しており、ビジネスメールや営業提案書作成の効率化を実現させているという。メール作成については、1人1日当たり平均約1時間48分かかっていた作成時間を約48分に、営業提案書に関しては、1件あたり115分から60分に削減できることを確認したとのことだ。
Rakuten AI for Businessのトライアル導入も進んでおり、エネルギー事業を展開するREZILやグランドプリンスホテル高輪などの企業が、顧客対応メールの作成時間削減を目指してRakuten AI for Businessを活用しているとのこと。備前市など自治体も、事務作業の効率化を目的にトライアル利用を決めたそうだ。
なお、企業が業務での活用イメージを持ったうえで導入できるよう、1カ月間の無料トライアルも実施する。「2024年は社内での実験・活用によって様々な知見を得ることができた。2025年はRakuten AI for Businessのローンチをはじめとした、これらの知見をアクションに移す年になる」と楽天グループ 専務執行役員のティン・ツァイ氏は語った。
Rakuten AI for Businessの料金体系
出展者向けイベントで掲げた目標は「半分程度の目標を達成」
昨年1月に開催された楽天市場の出展者向けイベント「楽天新春カンファレンス2024」内の講演に登壇した代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏は、「楽天はAIエンパワーメントカンパニーに進化していく」と宣言し、「トリプル20」という目標を掲げた。
トリプル20は、自社のマーケティング効率とオペレーション効率、出展者等のクライアント効率を、AIを用いてそれぞれ20%向上させるという目標で、「すでに10%程度の目標を達成している」(三木谷氏)という。