ポリコムが新ビジュアルコミュニケーションソリューションを発表――高品質と利便性を追求

ポリコムジャパンは2012年10月25日、「Polycom RealPresence」ビデオソリューションの新製品群を発表した。

営業本部長のフェゼック・ローン氏 営業技術部マネージャーの是枝日登志氏

発表会ではまず、営業本部長のフェゼック・ローン氏が登壇し、今年5月に行ったコーポレートロゴ変更に伴う新ブランド戦略について説明。同社は昨年秋から、従来のビデオ会議ベンダーからユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーへと舵を切っており、「(コーポレートロゴの変更は)当社が真に進化を遂げ、まったく新しいブランドになったことを表すもので、今後ポリコムは、UC業界のリーダーとしてイノベーションを推進していき、包括的なソリューションを提供していく」と語った。

新コーポレートロゴの意味

続いて登壇した営業技術部マネージャーの是枝日登志氏は、UC、ビジュアルコミュニケーション市場の現状について、「外的要因」「テクノロジーの進化」「企業等のニーズ」の3つの要因が新たなニーズを創出するとした。外的要因については、「昨年の東日本大震災をきっかけとして、働き方を変えて事業を継続していくという意識が芽生えてきた」と説明。テクノロジーの進化では多様なモバイルデバイスの浸透などを挙げた。企業等のニーズについては、日本企業の海外進出や、ワークライフバランスという言葉が出てきているように、各自の仕事のやり方等々も変わってきていることを指摘した。これらを背景に、「新しいビデオソリューションが必要とされてきている」と語った。こうしたニーズに対応するために投入したのが、今回発表したソリューションだ。

「Polycom RealPresence」ビデオソリューションの概要(クリックで拡大)

シンプルなUIで使い勝手を向上

ソリューションの中核を成す新製品群としてはまず、「Polycom RealPresence Groupシリーズ(300/500/700)」がある。HD対応ビデオ会議システム「Polycom HDX シリーズ」の拡張版という位置づけの製品で、本体、カメラ、マイク、リモコンの基本構成は同じ。本体は横幅約30cm、奥行き約10cm、高さ約2cm、重さ約1kgという非常にコンパクトなサイズを実現している。HDXシリーズから大きく変わったのはリモコンであり、ボタン数が15個も減って非常にシンプルで使いやすくなっている。

ボタン数を減らしてシンプル化したリモコン

また、小規模会議室向けの「EagleEye Acoustic カメラ」も投入。手ごろな価格のEPTZ(電子パン/チルト/ズーム)カメラであり、ゴム製のヒンジにより、フラットパネルディスプレイに簡単に取り付けることができる。

モバイル対応では、「Polycom RealPresence Mobile」の機能を拡張した「v2.0」を投入する。業界初の超音波ペアリング技術「Polycom SmartPairing」を採用した。モバイル環境と会議室環境を統合し、より快適な会議エクスペリエンスを実現するもので、Groupシリーズだけでなく、HDXシリーズにも対応する。具体的には、ユーザーのiPadとGroupシリーズやHDXシリーズをペアリングし、iPadで両システムの制御が行える。現時点では音量調節やビデオ会議の開始・終了が可能だが、今後多数の機能を提供していく予定だ。また、iPad以外の端末での利用も視野に入れているという。

リモコンのシンプル化やiPadでの操作実現というように、ポリコムでは今回のソリューションのテーマの1つとして、「利便性の追求」を挙げている。是枝氏によれば、同社がワールドワイドで実施したユーザーへのアンケートで、「ビデオ会議システムがホコリを被っていたり、年1回程度の使用に留まっているケースが結構あった」という。その理由として、「難しい」「分からない」等、システムの専任者がいないと使えないという実態が浮き彫りになった。
このため、上記のようなシンプルで直感的なユーザーインターフェース(UI)を実現したという。同社ではこれらを「Polycom UX」という名称とし、ユーザーに使い勝手の良さを訴求していく。

さらに、新製品群には国際標準規格に準拠した「SVC(スケーラブル ビデオ コーディング)」を採用している。SVCはH.264の拡張版(Annex G)であり、「これまでの約3倍のキャパシティを実現している」(是枝氏)ため、より低い帯域幅でも高品質なビデオ会議が実現できる。ポリコムでは、今後投入するすべての製品でSVCをサポートする方針だ。さらに是枝氏は、「SVCは従来のビデオ会議システムで採用していたAVC(アソバンスド ビデオ コーディング)とは同じH.264でも互換性がない。このため、従来お客様はすべて買い換える必要があったが、我々はAVCとSVCを接続できる環境を併せて提供するため、既存システムへの投資を保護できる」とアピールした。

ポリコムが提供するSVC技術

今回発表した新製品や新機能は、11月下旬以降、順次日本市場で提供していく予定だ。

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