NTTは2024年10月29日に記者説明会を開催し、総務省が公表した「電気通信事業分野におけるユニバーサルサービスの確保の在り方 報告書(案)」に対する同社の基本的な考え方を説明した。
同報告書では、「固定網とモバイル網の双方で、全国・どこでも電話とブロードバンドが利用できる環境を実現することが適当」「(他事業者の提供区域であってもサービス提供責務を担うというNTTの)あまねく提供責務は、『複数の事業者が連携してエリアカバーすること』を前提とする最終保障提供責務に見直すことが適当」との考え方が示された。
NTTは、同報告書の「ユニバーサルサービスへのモバイル網活用の実現」「最終保障提供責務への移行」に向けた方向性について賛意を示した。
メタルの代わりにモバイル網や光を活用
「携帯事業者が提供するモバイル網固定電話と、NTT東西が提供する光回線電話、この2つが縮退するメタルに代わってユニバーサルサービスを支えていくツールになる」「携帯事業者を含む業界全体でユニバーサルサービスを支える仕組みに変わっていく。モバイル網により、効率的かつサステナブルなユニバーサルサービスが出来上がる」とNTT 経営企画部門 統括部長の城所征可氏は話した。
「あまねく提供責務」から「最終保障提供責務」へ移行
ブロードバンドにおける無線活用に関しては、「0.1%の光提供エリアが残っている。世帯カバー率100%を目指しているが、コスト効率を上げるという意味で、光とモバイルを組み合わせてコストの安い方でカバーしていく」とした。
無線を活用してブロードバンドの世帯カバー率100%の実現を目指す
一方、「(NTT東西が最終保障提供責務を履行するにあたっては)整備・維持コストがかかる。サステナブルに運用できるような整備費の支援や交付金などを補填いただける制度を議論・設計いただきたい」と訴えた。