「アウトドア特需は一服したように見えてはいるが、コロナ前に比べると市場は成長基調。キャンプはブームではなく、需要が定着していると見ている」
NTT東日本が設立する新会社「NTT Landscape」の代表取締役社長に就任する木下健二郎氏は、参入するキャンプ市場の現状について、こう語った。
新会社「NTT Landscape」の代表取締役社長に就任する木下健二郎氏(左)と、
NTT東日本 ビジネス開発本部 営業戦略推進部長の佐藤文武氏
NTT東日本は2024年10月24日、キャンプ事業を手掛ける新会社の設立を発表した。NTT東日本と、スマートストア事業などを手掛けるテルウェル東日本の共同出資により11月1日に設立。4つの事業から成る「フィールドDX事業」を展開し、5年後に30億円の売上を目指すという。
NTT Landscapeが展開する4事業
定着したキャンプ市場に残る2つの課題
木下氏が説明したキャンプ市場の現状はこうだ。
「宿泊市場規模は(コロナ前の)2017年の572億円に対して、2024年は854億円の見込み。2017年に15%程度だった宿泊稼働率も、近年は20%前後で推移している」
緊急事態宣言下で新規ユーザーが流入し、キャンプ場宿泊市場は2022年に1000億円に到達。これをピークとして現在は伸びが鈍化しているものの、「新たなライフスタイルとして定着した」(同氏)。
だが、解決すべき課題は少なくない。木下氏は、さらなる魅力・価値創造の余地は大きいとして次の2つの課題を指摘した。
1つめは、地方自治体が運営する公営キャンプ場の老朽化だ。改修が行き届いていないうえ、赤字経営が大半という現状である。もう1つ、民営施設も含めた運用効率化も課題である。人手に頼った運営が基本であり、物販などの付加価値拡充にまで手が回らないキャンプ場が多い。NTT Landscapeはこの課題解決に向けた事業を展開する。