NEC、みちのりホールディングス、ティアフォーの3社は2024年10月21日、茨城県日立市にて自動運転移動サービスの実現に必要な通信システムの要件に関する検証を開始すると発表した。実証期間は、2024年12月上旬から下旬にかけての約1カ月間。
同実証は、総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」の一環で、下記2点の実証実験を行う。
①ローカル5G通信を活用した狭隘交差点における歩行者と自動運転バスの安全離隔の確保
自動運転レベル4による走行時には、歩行者と自車の間で安全な距離を確保することが重要になる。そこで、ローカル5Gを使用して自動運転バスから路側のスピーカーに対して自車の右折動作と連動した発音を指示することで、歩行者に向けて的確に注意喚起する。あわせて、路側のインフラシステムから自動運転バスに対して車道へ立ち入る歩行者や遠方から接近する対向車などの物標情報を通知することで、自動運転バスの物体認識を支援する。
実証内容① イメージ図
②携帯電話網の通信品質に応じた高度な映像圧縮技術による遠隔監視の継続性向上
自動運転レベル4の走行時には遠隔による常時監視が不可欠であり、その際に映像伝送の継続性と高い映像品質の維持が重要になる。そこで、携帯電話網の混雑が予想される状況下において、高度な映像圧縮技術を用いた場合の映像伝送の継続性と映像品質について検証する。
具体的には、数千人規模の工場が隣接する走行区間において、通信速度を予測する技術を用いて携帯電話網の通信速度の低下を予測し、それにあわせて映像の圧縮率を事前に変更する。また、遠隔監視業務において注目すべき映像内の領域を自動で検出し、それ以外の領域の圧縮率を高めることで映像伝送量を削減する「学習型メディア送信制御技術」を活用する。携帯電話網の通信品質に応じて、適切な映像圧縮を行うことで映像伝送の継続性向上と映像品質の維持を目指すとしている。