産業分野に広がる業務利用
大石氏はこう述べる。「ローカル5Gはコストが高いと敬遠されていたお客様にも、ギガらく5Gのパフォーマンスを見て業務利用が可能との理解が広がっています。製造業が多くの割合を占めますが、物流、建設、港湾などでの利用も目立って増えています」
例えばプラント工場や物流拠点などでは、広い敷地に沢山の建物が立っているが、そこで働く従業員を結ぶ手段に不自由していた。Wi-Fiでは多数のAPを設置することになり配管電源費などがかなり必要となってしまう。ローカル5Gは1基地局あたりのカバー範囲が広いため簡単にカバーできてしまう。いちいち事務所に戻って入力するのではなく、その場でリアルタイムに点検結果を入力したり、現場の状況をカメラ映像で伝送できる。その時もアップリンク最大466Mbpsが威力を発揮する。
また、製造業では、製造ラインそのもののワイヤレス化を、クリティカルな対応ができるローカル5Gでやりたいという要望が多く出てきている。
そこで、NTT東日本は調布市の「NTTe-City Labo」の中に「ローカル5Gスマートファクトリー&ロジスティクスラボ」を開設している。
ここでは、製造・物流業の工場全体の無線エリア化の開発が行われている。製造・物流工程で利用されている機器・設備を無線化し、柔軟に工程変更が可能となる。1つの作業場から次の作業場までAMRによって製品が自動で運ばれる仕掛けになっている。
AGV、AMR、AGFなどの自動で動く搬送ロボットはWi-Fiだとローミングの度に通信が途切れいったん止まることになるが、5Gはそれがない。工場・物流・倉庫などでクリティカルな工程を持っているところや業務改善を推進しているところでは極めて有効となる。
NTT東日本では、業務利用の拡大に向けて、ユーザーの使いやすい業務ソリューション、それを可能とする柔軟なシステムに力を入れている。
スマートファクトリーではワイヤレスで工程がロボット化、自動化されている
多くの経験から電波品質も
大石氏は、こう強調する。「ギガらく5Gは、電波品質がよいという声をいただいていますが、多数の企業へ導入の経験から置局設計のノウハウが溜まり、アンテナの適切な数、置き方、角度の調整など、柔軟な対応ができることが評価を得ているのだと思っています」
基本仕様をシンプルにしながら、お客様の多様な要望に対応するなかで、すぐ使え、効果の上がるシステムが可能になっているといえるだろう。
NTT東日本 ビジネス開発本部 無線&IoTビジネス部 5G/IoT企画担当課長 大石卓哉氏
<お問い合わせ先>
NTT東日本
ビジネス開発本部 無線&IoTビジネス部
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