総務省 情報通信審議会は6月18日、「Beyond 5Gに向けた情報通信技術戦略の在り方」に関する最終答申を公表した(図表)。
図表 Beyond 5Gの全体像
その中で、2022年6月の中間答申以降の考慮すべき環境変化の1つとして挙げているのが、AIの爆発的普及だ。
これまでAIは、仮想化技術等の活用によるネットワーク運用効率化のためのツール(AI for Network)として位置付けられてきた。しかし、生成AIの活用が急速に進み、近い将来、生成AIを搭載したアバターやロボットがネットワークを通じて相互に通信するようになると予測。ネットワークは、「AI社会」を支える基盤(Network for AIs)としての機能を果たすことが求められるとしている。
生成AIの開発には大規模な計算資源(GPU)が必要であり、膨大な電力を消費する。また、ミッションクリティカルなロボットや機器をネットワークを介してつなぐには、従来以上の低遅延性や高信頼性が求められる。このため、超高速大容量・超低遅延かつ超低消費電力を特徴とするオール光ネットワークが必須となる可能性がある。
加えて、光通信でデータ伝送を行う光伝送装置は、富士通が世界市場(特に北米)でシェアを伸ばしており、日本が強みとする数少ない分野の1つだ。
「業界構造やビジネスモデルが大きく変化するなか、オール光ネットワークはゲームチェンジを実現するうえでの“最重要戦略商品”と捉えている」と総務省 国際戦略局 技術政策課 革新的情報通信技術開発推進室 室長の大野誠司氏は説明する。