2012年6月20~22日、中国・上海にて「GSMA Mobile Asia Expo(MAE)」が開催された。この会期中、ZTEが日本メディアを招いてプレスツアーを行った。MAEの同社ブースでは、最新のLTE対応スマートフォン「ZTE Grand X LTE」をはじめ、各種のスマートフォン/タブレット端末を展示。加えて、スマートフォンとテレビの連携サービスの例として、ゲームやビデオ配信サービス、さらに法人向けの仮想デスクトップといったクラウドサービスへの取り組みも紹介された。
Mobile Asia ExpoのZTEブースでは、「Blade」「Skate」等の人気機種の他、LTE対応の最新機種「Grand X LTE」が展示された |
以下、プレスツアー中に行われたインタビューを中心に、LTEへの移行によってさらに拡大するモバイル市場へのZTEの取り組みをレポートする。
●LTE FDDとTD-LTEが共用可能
日本国内ではすでにNTTドコモが「Xi」で商用サービスを展開しているLTE。日米欧の各国に続き、中国では今年末から来年頭にも、チャイナモバイルがサービスインする見込みだ。ZTEは、端末よりもむしろ通信キャリア向けインフラ機器を軸に成長を遂げてきたベンダーであり、コアネットワークから端末までエンド・ツー・エンドのソリューションを提供できる(下写真参照)ことを最大の強みとしている。世界中で3Gから3.9G(LTE)への進化が促進される2012年度は、同社にとって飛躍のチャンスだ。
Vice Presidentを務めるWang Shouchen氏がZTEの強みとして強調するのは、同社のソリューションがLTEの2つの方式、LTE FDDとTD-LTEをともにサポート可能な点だ。「同一のハードウェアで両方式に対応でき、さらにソフトウェアにも互換性を持たせている。2Gや3Gの設備との共用も可能」と話し、これが、欧州キャリアや後進国のキャリアが同社のソリューションを採用する要因の1つとなっているという。
ZTE Vice PresidentのWang Shouchen氏 |
なお、日本国内では、NTTドコモがLTE FDDを採用。KDDIとソフトバンクモバイルもLTE FDDの採用を予定している。また、Wireless City PlanningのAXGPはTD-LTE互換とされている。一方、TD-LTEもチャイナモバイルをはじめ、世界各国のキャリアが採用を予定している。ZTEは、商用サービスが先行しているLTE FDD採用キャリアを軸にビジネスを展開しつつ、FDDとTDに対応可能なソリューションのスケールメリットを生かし、その後拡大が見込まれるTD-LTEへの投資にも応えながらビジネスを拡大していく考えだ。
さらにWang Shouchen氏は、、両方式をサポートするチップを使うことで、FDD対応端末、TD対応端末を低コストで開発可能な点も強調した。なお、「TD-LTE対応の端末のリリースは日本が最初になる」という。