“6GHz帯Wi-Fiの先進国”で聞いたAFC(自動周波数調整)の最新事情

Wi-Fi 6Eで初めて6GHz帯が利用可能になったことで、無線LANは新たな時代へ突入している。この「6GHz帯Wi-Fi」の普及とユースケース拡大の鍵を握るのが、自動周波数調整(AFC)だ。日本の倍以上となる1.2GHz幅をWi-Fiに割当済みで、2024年春には屋外利用も解禁した「6GHz帯Wi-Fiの先進国」である米国では、AFCはどのように運用されているのか。Extreme Networksのワイヤレス担当ディレクターに実情を聞いた。

米Extreme NetworksでOffice of the CTO,Director of Wirelessを務めるデビッド・コールマン氏

米Extreme Networks CTO室ワイヤレス・ネットワーキング担当ディレクター(Director, Wireless Networking at the Office of the CTO)のデビッド・コールマン氏

Wi-Fi 6E以降の無線LANでは、新たな周波数として6GHz帯が利用可能になった。Wi-Fi 7も含め、この「6GHz帯Wi-Fi」の普及とユースケース拡大の鍵を握るのが、自動周波数調整(AFC:Automated Frequency Coordination)システムである。

AFCとは、6GHz帯を使用する他の無線システムとの周波数共用を実現するためのものだ。Wi-Fiアクセスポイント(AP)またはWi-Fiコントローラーが位置情報と、使いたい周波数帯・出力をAFCシステムに問い合わせて、利用可能なチャネル・出力について返答を得る仕組みだ。

AFCシステムの利用イメージ

AFCシステムの利用イメージ

総務省 情報通信審議会において6GHz帯Wi-Fiの周波数拡張と屋外・高出力利用などについて議論する「5.2GHz帯及び6GHz帯無線LAN作業班」においても、AFCの開発・実証と実用化が焦点の1つとなっている。「AFCを前提として(残り700MHz幅の)周波数共用の検討を進める」方針だ(参考記事:6GHz帯Wi-Fiの周波数拡張は24年度末までに検討、AFCによる共用が焦点に)。

すでにWi-Fiへ割り当て済みである5925~6425MHz(500MHz幅)はAFCなしで利用できるが、追加割り当てを検討中である6425~7125MHz(700MHz幅)については、放送事業や電波天文で使用しているため、AFCの利用が必須となる。

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