ワイヤレスジャパンの魅力の1つは、近い将来の実用化が期待される先端技術を一足先に体験できることだが、KDDIブースで参考出展されているのが「リンクアグリゲーション無線技術」である。
これは、3GやWiMAX、Wi-Fi、LTEなど、異なる複数の無線方式を束ねて、より高速かつ安定的な通信を可能にするというもの。会場では、KDDIのAndroid端末「GALAXY SII WiMAX」を用い、3GとWiMAXのリンクアグリゲーションと、3Gのみの端末でスループット比較を実施している。デモではリンクアグリゲーションにより、従来端末の2倍以上のスループットが出ていた。KDDIによると、屋内では平均約2.4倍、屋外では平均約2.2倍の速度を出せるという。
左が従来、右がリンクアグリゲーション端末のダウンロード結果。ダウンロードにかかった時間は従来端末が28.696秒に対して、3GとWiMAXを束ねてリングアグリゲーション端末は6.893秒と、デモでは相当な差が出ていた |
このリングアグリゲーションの大きな特徴の1つは、ネットワーク側に専用装置などは不要で、端末側のみで実現できることだ。また、3GとWiMAXの両方式はそれぞれ別々のIPアドレスで通信を行い、端末側でデータを統合する形となる。デモで行われていたのはファイルダウンロードだが、このため適用可能なアプリケーションはある程度限られてくるようだ。