アカマイ・テクノロジーズは2012年3月28日、ソフトバンクテレコムとのパートナー契約を発表した。ソフトバンクテレコムではクラウドサービス「ホワイトクラウド」のオプションサービスとして、今夏からアカマイのWebアプリケーション高速化やDDoS攻撃対策などのソリューションを組み込んでいく予定だ。
アカマイとソフトバンクテレコム「ホワイトクラウド」の提携の概要 |
「日本企業のグローバル化を支援していく」。米アカマイCEOのポール・セーガン氏は会見中こう繰り返し述べたが、今回の提携により提供されるサービスの主なターゲットは、海外進出する日本企業だ。海外進出時には当然ITシステムも一緒に展開していく必要があるが、その手段として効率的なのがクラウドである。ただし、企業がグローバルにクラウドを活用する際に課題となるのが、遅延などパフォーマンスの問題だ。例えば、遠く離れた海外拠点から日本国内のデータセンターを利用するとなると、どうしてもパフォーマンスは悪くなる。
そこでホワイトクラウドに、全インターネットトラフィックの25~30%を運ぶアカマイネットワークのキャッシュ機能や高速化技術、さらにはDDoS対策機能などをプラスできるオプションサービスをソフトバンクテレコムが用意。海外進出する日本企業は、より高いパフォーマンスを持ったグローバルインフラとしてホワイトクラウドを利用できるようになる。サービスの詳細や料金については、改めてソフトバンクテレコムから発表されるとのことだ。
なお、アカマイというと、サービスプロバイダー向けというイメージがいまだあるが、「それは数年前の姿。我々はエンタープライズクラウドのパフォーマンスも向上させられるし、エンタープライズクラウドをセキュリティの脅威から守ることもできる。実はグローバルでは、売上の60%がエンタープライズになっている」(セーガン氏)という。
また、アカマイでは現在、売上の80%が直販、20%がパートナー経由という比率になっているが、エンタープライズ分野の成長に従い、今後はパートナー経由の比率がもっと拡大していくと見込んでいるそうだ。