NTTとNTTデータグループは2024年4月12日、イギリスおよびアメリカ国内においてNTTグループ保有のデータセンター間をIOWN APNで接続する実証を行ったと発表した。
イギリスではへメル ヘムステッドのHH2とダゲナムのLON1の2つのデータセンター、アメリカではアッシュバーンのVA1とVA3の2つのデータセンターをNEC製のAPN機器で接続し、両データセンター間の往復遅延および遅延ゆらぎの測定を行った。
実証に用いたデータセンター
実証実験の結果、400Gbpsの通信において両データセンターを1ミリ秒未満の遅延、1マイクロ秒未満の遅延ゆらぎで接続できた。イギリスでは、本実証と同程度の距離があるデータセンター間通信における遅延が2ミリ秒を超える。また、一般的なレイヤー2スイッチにより構成された従来のネットワークでは数マイクロ秒から数十マイクロ秒の遅延ゆらぎが発生する。
大手クラウド事業者では同一のデータセンターとして扱える条件が2ミリ秒以内と規定されており、今回の計測により一般的なクラウドアプリケーションで想定されている遅延・遅延ゆらぎを大幅に下回る結果を確認できたという。
この結果から、エンタープライズユーザーに対しては、リアルタイムAI分析処理や金融分野における郊外型データセンターとして、海外においてもNTTデータグループのデータセンターが活用されることが期待できるとしている。また、海外においても、クラウド事業者に対しては、都市部と同一拠点相当のデータセンターとして、NTTデータグループのデータセンタが活用されることが期待できるという。