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ヨーロッパの主要通信事業者であるドイツテレコム、オレンジ、ボーダフォン、テレフォニカは、域内各国で展開しているサービスやスタートアップ企業への投資、最新技術を展示した。最も注目を集めたのは、ドイツテレコムが展示したAIスマートフォンのプロトタイプだ。
米Brain.aiと共同開発したもので、アプリを使わず音声で質問や検索を指示。「来週のパリ行きの航空券を探して」と話しかければ航空券の一覧が表示されるといった具合だ。
ドイツテレコムは自社ブランドスマートフォン「T-Phone」を展開しており、ハイエンドモデルならオンデバイスでAI機能が利用できる一方、エントリーモデルでもクラウド経由で同じAIが利用可能だ。
ドイツテレコムはAIフォンのプロトタイプを展示
ボーダフォンはドローン搭載可能なRaspberry Piで動作する小型軽量基地局「5G Network in a Box」を展示した。バッテリーで10時間駆動が可能で災害時のバックアップネットワークやプライベート5G(日本のローカル5G)にも利用できる。
オレンジはサステナブル関連を重点的に出展。会議室の温度・照明の自動コントロールやWi-Fiアクセスポイントの電力自動制御、SD-WANのルーティング機能の統合などオフィス向けの環境対策ソリューションを事例と共に説明した。
サステナブル関連はMWC全体のメインテーマの1つでもあり、AIによるネットワークの先読み制御やOpen RAN導入による効率的なサーバーの選択など、省力化や効率化の行きつく先としてエネルギー消費量の削減を謳う展示が多くみられた。
さて、社会生活のあらゆる活動が高度なネットワークに常時接続された時代を迎えるなか、SalesforceはCRMプラットフォーム「Customer 360」のデモを行った。通信事業者が、ターゲットユーザーの商店での消費行動やネット検索などからの嗜好に合わせ、効率的なマーケティングや営業を行うことを支援するソリューションだ。
最新CRMを展示するSalesforce
AIがビルトインされ、ネット広告やメールの送信などすべてが最適化したタイミングで行われる。SNSへの関連投稿やアフターケアなども含め1つのプラットフォームで完結する。