ソフトバンクは2024年3月13日、企業や自治体などのニーズに合わせてカスタマイズした5Gネットワーク環境を構築する「プライベート5G(専有型)」の提供を開始した。
「プライベート5G(専有型)」は、ソフトバンクに割り当てられた周波数の電波を組み合わせて構成された基地局やコアネットワーク設備の一部を、ユーザーの敷地内に設置して専用のネットワーク環境を構築する法人向けの5Gマネージドサービスだ。通信事業者が提供するパブリック5Gのサービスエリア外でも、5Gのネットワーク環境を構築することができる。
「プライベート5G(専有型)」のサービス構成のイメージ
パブリック5Gのコアネットワーク設備を経由する場合と比較して、遅延を最大5分の1程度に抑えることが可能という。これにより、例えばスマートファクトリーなどの低遅延性が求められる高度なソリューションの実現が期待できるとしている。
また、専用ネットワーク内に閉じた環境でユーザーが保有するデータを処理できるため、セキュリティをより高めることも可能。ソフトバンクが用途に応じて最適なネットワーク環境の設計・構築を行い、運用・保守までサポートするため、高品質な5Gネットワーク環境を導入することができるという。
なお、ソフトバンクは2023年3月に、パブリック5Gの設備や電波を利用する「プライベート5G(共有型)」を提供している。
ソフトバンクは今回のプライベート5G(専有型)の提供開始に合わせて、ソフトバンクロボティクスの「SoftBank Robotics Logistics Innovation Lab」(千葉県市川市)に、プライベート5Gの技術検証エリアを2024年4月に開設する。
検証エリアに設置されているマテリアルハンドラー機材(左)と、「プライベート5G」検証用の無線機
このラボには高密度自動倉庫システム「AutoStore」やAGV(無人搬送車)などの物流ソリューションがあり、物流倉庫や工場といった実環境に近い施設でプライベート5Gを活用した技術検証ができる。加えて、「プライベート5G」の導入・活用に関する相談などをすることも可能だ。