UQコミュニケーションズは2011年12月26日、この日から都営地下鉄三田線大手町駅構内およびトンネル内の一部でUQ WiMAXサービスが利用可能となったことにともない、報道関係者向けに構内に設置した無線設備を公開した。
UQでは、屋外エリアだけでなく、地下鉄や地下街などの屋内エリアの整備も積極的に進めており、11月21日の事業戦略説明会(関連記事)で、12月末に都営三田線大手町駅をエリア化することを発表していた。
今回、無指向性アンテナを大手町方面改札付近、丸の内方面改札付近、行幸通り方面改札付近の3カ所、指向性アンテナを大手町駅の大手町方面改札側のホーム(神保町駅寄り)、行幸通り方面改札側のホーム(日比谷駅寄り)の2カ所に設置した。そして、それら5カ所の天井裏には日立製作所製の基地局が設置してある。
改札口付近に設置した無指向性アンテナは「半径200mくらいをカバーする」(建設部門建設2部鉄道建設2グループマネージャの及川孝慈氏)といい、3カ所の設置で改札口付近はほぼすべてカバーできているという。アンテナ1台で収容できるのは約100ユーザーだ。
丸の内方面改札付近に設置された無指向性アンテナ。サイズは115径 | 駅構内にはWiMAXエリアであることを示すステッカーも貼られている |
ホーム内は、2台の指向性アンテナをトンネル側とホーム側のそれぞれに向けて設置。電波は「約500m飛ぶ」(及川氏)という。アンテナの設置自体は一晩(終電後から始発前まで)で行った。収容可能ユーザー数は2台合わせて約100ユーザーとなっている。
大手町方面改札側ホーム(神保町駅寄り)に設置された2台の指向性アンテナ。サイズは200×200mm | ちょうど電車の停車位置前方に設置されている |
工事は11月28日に開始。アンテナの設置自体は一晩でできたが、「配管工事や電源関連工事は時間がかかるもので、工事の時間帯も(深夜という)制約があったため」と及川氏は説明。「今回得たノウハウを持って次の駅から工期短縮を実現し、スピードを早めて展開していきたい」意向だ。
今後は、大手町駅隣接の神保町駅で2012年1月末、もう一方の日比谷駅で2月末からサービスを開始する予定。大手町駅から日比谷駅はほぼ直線で約900mのため、両駅のホームに設置した指向性アンテナでトンネル内全域をカバーできる。一方の神保町方面はカーブがあるため、その直前までカバーする形になる。距離も約1400mあるが、「ユーザーへの影響はそんなにない見込み」(及川氏)という。
UQでは、その他の都営三田線各駅、浅草線、新宿線、大江戸線の各駅でも2012年12月末までに順次サービスを開始する予定だ。また、東京メトロとも交渉中であり、将来的には首都圏だけでなく、中部・関西圏など全国の地下鉄でも利用できるようにする方針だ。