熊本県荒尾市とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2024年1月24日、教育用タブレットを活用して登下校中の児童の見守りを行う全国初の実証実験を開始したことを発表した。
教育用タブレットとは、文部科学省のGIGAスクール構想に基いて全国の学校で児童生徒に1人1台配備されている端末のこと。荒尾市が児童1人に1台配備している教育用タブレットを活用して、登下校状況や現在地・行動履歴の把握、登校エリアから外れた場合のアラート通知を行うことで、面的な見守りの有効性を検証する。
実施期間は2024年1月15日から同年2月9日。荒尾市立桜山小学校と荒尾市立緑ケ丘小学校の協力で実施する。
本実証の取り組みイメージ
具体的には、教育用タブレットからGPSで位置情報を取得し、NTTドコモのモバイル回線を通じて、NTT Comが提供する保護者・教職員向けスマートフォンアプリに、児童の現在地や行動履歴を表示。ホームルームの開始・終了時や、通学路や校区から外れるなどした場合に通知を行う。
本実証実験は、国土交通省がデータや新技術を活用した先進的な都市サービスの実装に向けて取り組む実証事業を支援する「スマートシティ実装化支援事業」において採択され、取り組むもの。荒尾市とNTT Comは、来年度の本格運用をめざして保護者や教職員へのアンケート調査などを行いながら有効性を検証するという。
また、出欠情報の確認・管理に関わる教職員の稼働削減や効率化に寄与できるかをアンケート結果などから検証。本実証で得られた児童の出欠席・行動履歴データを、不登校の兆しの早期発見や、通学路上の横断歩道・街路灯の整備などに活かすことも検討する。
NTT Comは、荒尾市と同様の課題を抱える他の地域へのサービス横展開をめざすとしている。