ヤマハは2024年1月17日、無線LANアクセスポイント(AP)のミドルレンジモデル「WLX322」と「WLX323」を2024年2月に発売すると発表した。
Wi-Fi 6対応「WLX322」(左下)、Wi-Fi 6E対応「WLX323」(右上)
WLX322はWi-Fi 6対応のデュアルバンドモデル、WLX323はWi-Fi 6E対応のトライバンドモデル。両機種とも、快適な無線通信を実現するための機能を強化している。
5GHz帯の利用時は、航空・気象レーダーによる60秒間の通信断(DFS)が快適な通信の妨げとなるが、これを回避する「Fast DFS v2」に対応する。DFSの影響を避けるために使用可能なチャンネル数の少ないW52を使用していた場合でも、多くのチャンネルを利用できるW53/W56を選択することが可能となり、安定かつ高速な通信を実現するという。
収容端末の多さも特徴とする。WLX323は3バンド合計で最大270台、WLX322は2バンド合計で最大170台の無線端末を収容する。なお、WLX323は3つの無線LANモジュールを搭載しているが、3つめのモジュールは5GHzと6GHzの2つの周波数帯からいずれかを設置環境に合わせて選択できる。
また、無線端末が移動しても遠くのAPに接続し続ける問題に対応する「適応型ローミングアシスト機能」は、近くの無線APへの適切な切り替えを促し、無線LAN環境全体のパフォーマンスを改善するという。さらに、APのアンテナ指向性を見直すことで、より広いエリアで強い電波を提供できるようになったとしている。
さらに、これらのモデルは、独自のクラウド型ネットワーク統合管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」にも対応し、複数拠点の無線LANの一括管理が可能だ(関連記事:ヤマハのクラウド型ネットワーク管理「YNO」が大幅アップデート|BUSINESS NETWORK)。また、本体内蔵コントローラーによるオンプレミス型の「クラスター管理機能」にも対応し、機器の交換や追加の際も、LANに接続して電源を入れるだけで設定が完了し、無線LANの運用管理が容易に行えるという。
そのほか、「無線LAN見える化ツール」、無線環境を学習し最適化することでトラブルを未然に防ぐ「Radio Optimization機能」など、同社がWLXシリーズで培ってきた多くの好評な機能を継承し、無線LAN管理の負荷軽減に寄与するとしている。
両モデルともRADIUSサーバーを搭載し、最大1000件の端末をWPA/WPA2/WPA3エンタープライズ認証することが可能だ。認証局も搭載しており、EAP-TLS認証で使用する証明書を発行することで、本機単体で高度なセキュリティーシステムを構成できることも特色に挙げられている。
希望小売価格はWLX322が9万3500円、WLX323が11万5500円(ともに税込)。