データセンターネットワークの運用現場はいくつもの課題に直面している。ビジネスサイドからのさらなるスピードアップの要求、ますます複雑化するネットワーク、エンジニアのスキル不足などだ。
こうした課題の解決策として近年、主要ネットワークベンダー各社が力を入れているのが、インテントベースネットワーキング(IBN)である。どのようなネットワークが欲しいのか、その「意図」(インテント)をGUIベースで宣言すると、システム側が「意図」を理解して必要な構成や設定をネットワークに自動適用する。ネットワークの状況が「意図」から外れれば、アラートで知らせてくれたり、自動で問題解決することもできる。
ジュニパーネットワークスも2021年にApstra社を買収し、「意図」によるデータセンターネットワーク運用に注力してきた。ジュニパーのスイッチだけではなく、シスコシステムズ、アリスタネットワークス、オープンソースのネットワークOSであるSONiCなど、マルチベンダーのハードウェアに対応している点が大きな特徴の1つだ。
その「Juniper Apstra」は今年10月、バージョン4.2.0へアップデートした。ジュニパーネットワークスの塚本広海氏は「クラウド並みに運用が容易なプライベートデータセンターを実現するため、様々な新機能を追加した」と紹介する。
図表1 Apstraのインテントベースネットワーキングの全体像