8年目の「超歌舞伎」はAPN IOWN1.0でリアルタイムCG演出

NTTは2023年12月1日、松竹が2023年12月3日から東京・歌舞伎座で上演する「超歌舞伎」に、IOWNのオール・フォトニクス・ネットワーク(APN)によるリアルタイム演出を提供すると発表した。

超歌舞伎は最先端ICT技術と古典歌舞伎を融合させた公演で、2016年に初演を行ってから今年で8年目を迎える。初めて歌舞伎座で上演される今回は、今年3月に提供が開始されたAPN IOWN1.0を用いて、遠隔スタジオの演者の動きをリアルタイムで初音ミクの劇場CGに反映させ、遅延なく、共演者と息の合った演出を実現するという。

リアルタイムCG演出のイメージ

リアルタイムCG演出のイメージ

この演出はリアルタイム版「裸眼XR相席対話システム」にも適用される。スマートフォン、ARグラスなどのデバイスを用いずにバーチャルキャラクターと同一空間での対話を可能にするシステムだが、APNのネットワークを活用することで初音ミクとのやりとりがリアルタイムで行えるようになるという。

また、IOWN構想による新たな舞台演出も行う。IOWNによってヒトのデジタルツインを実現しようとする「Another Me」から生まれた「獅童ツイン」が、デジタル空間上で本人らしい声、モーションをAIで再現するという(参考記事:IOWNが実現する“ヒト”のデジタルツイン Another Meは社会を変える|BUSINESS NETWORK)。NTTのクロスリンガル音声合成技術により、日本語音声から生成した英語音声による挨拶も行うとしている。

さらに、LiDARで得られる点群データを元に、リアルな空間を高精度・高精細に仮想空間上に再現する「3D点群メディア処理技術」の一部を活用して制作・編集された映像も上映されるというということだ。

公演概要は以下の通り。

歌舞伎座新開場十周年「十二月大歌舞伎」第一部
公演日程: 2023年12月3日(日)~12月26日(火)※休演:12月11日(月)、19日(火)
「超歌舞伎 Powered by NTT 『今昔饗宴千本桜』」
主演:中村獅童 初音ミク
脚本:松岡亮
演出・振付:藤間勘十郎
技術協力:NTT
製作:松竹株式会社
公演詳細:歌舞伎美人 https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
「超歌舞伎」公式サイト: https://chokabuki.jp/kabukiza/

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