ローカル5G「共同利用」の第1号が商用開始、ZTVと愛媛CATVの狙い

2023年8月末にローカル5G制度が改正され、「共同利用区域」の設定が可能になった。複数の利用者でローカル5G基地局をシェアできるようにしたこの新制度で、全国初の免許を取得したのが三重県のZTVだ。さらに愛媛CATVも四国初の免許を取得。両社ともに早速、共同利用を駆使したビジネスをスタートさせた。

「ローカル5Gを使ったB2Cサービスを展開したいと考えてきたが、制度改正前までは難しかった。共同利用区域が設定可能になったことで、安定的にサービスが提供できるようになる」

そう語るのは、三重県津市のケーブルテレビ事業者であるZTV 新事業推進部 課長代理の小林裕也氏だ。同社は2023年9月29日に、複数利用者による「共同利用区域」を設定したローカル5G無線局免許を全国で初めて取得。11月から、これを利用した家庭向けFWA(固定無線アクセス)サービス「Z-LAN Air 5Gサービス」の提供を開始する。

ZTV 新事業推進部 課長代理の小林裕也氏(左)と、取締役 新事業推進部長の朝熊淳氏

ZTV 新事業推進部 課長代理の小林裕也氏(左)と、取締役 新事業推進部長の朝熊淳氏

そして、ケーブルテレビ(CATV)業界にはもう1社、この共同利用の仕組みを使ってビジネスを始めようとしている事業者がいる。愛媛県松山市に本社を置く愛媛CATVだ。

同社は10月に、四国で初となる共同利用区域を設定した無線局免許を取得した。8月の制度改正前にすでに26局の免許を取得していたが、そのうち2局を共同利用型に更新。さらに共同利用区域を設定した新規基地局を6局加えた。運用するローカル5G基地局は合計32局で、そのうち共同利用区域を設定した無線局は8つに達している。専務取締役の白石成人氏は、「これまで自己土地利用で打っていた基地局も今後は共同利用区域に切り替えて、面でエリアを展開していくことを考えている」と話す。

愛媛CATV 専務取締役の白石成人氏

愛媛CATV 専務取締役の白石成人氏

この両社は2023年10月31日にケーブルテレビ連盟(JCTA)が開催した定例記者説明会で、今回の免許取得の狙いと今後の取り組みについて説明した。どちらも、共同利用という新制度を活用することで、ローカル5Gのサービス提供範囲やユースケースの拡大を目指す。

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