富士通の「ソフトウェアPBX」は、「ハイブリッドワーク対応」を謳う、ソフトウェアベースのPBXシステムだ。従来からのソフトウェアによる提供に加えて、アプライアンスモデルを9月から新たに提供する。これにより、汎用サーバー/クラウドの選定やインストール作業などの手間なしで導入できるようになる。
アプライアンスモデルの価格は110万円(50回線)~で、最大収容数は2000回線。この収容回線の範囲内であれば、汎用サーバーと組み合わせるよりも安価に導入可能だという。
アプライアンスモデルの追加により、ソフトウェアPBXの導入方法は3タイプに
FMC内線やナースコールと連携
ソフトウェアPBXは、オフィス外でもスマホを内線として利用できたり、エンドユーザーがブラウザ操作で固定電話機の転送先やピックアップグループの設定変更を行えるなどの特徴を持つが、今回のアプライアンスモデルの提供にあわせて、さらなる機能強化も図る。
まずは大手3キャリアのFMCサービスに対応したFMC内線機能だ。FMCスマホも内線として一斉着信させたり、FMCスマホからソフトウェアPBX経由で局線発信した場合の発番号通知などが新たに可能になる。FMCスマホからソフトウェアPBX経由で局線発信した場合、課金集計装置(CIPS-EX)と接続することで課金管理もできる。
FMC内線機能の追加によりスマホ内線機能をさらに強化
また、IPナースコールシステムとの連携による事前登録したナースコール端末への発信や、患者の容体悪化時の波形モニター画面のナースコール端末への転送も実現する。同社のレガシーPBX「LEGEND-Vシリーズ」でもナースコールシステムとの連携は可能だったが、ソフトウェアPBXの場合、スマホの利点を活かし、患者の名前や状況など、情報をよりビジュアル化して伝達できるという。
富士通は、様々な業務端末のスマホへの集約を促進して現場の利便性向上を図るため、業務アプリと内線電話の機能連携に注力していく考え。電子カルテをはじめ、ヘルスケア業界で富士通は強みを持つことから、今回まずヘルスケアに取り組んだという。
IPナースコールシステムとの連携例の1つ
既設の固定電話機やPHSを、ソフトウェアPBXでも継続利用するためのアダプター装置「連携モジュール」(1台52万円~)も提供開始する。連携モジュールを介すことで、既設端末もソフトウェアPBXに収容でき、一斉着信やグループ保留応答などの設定も可能だ。従来もLEGEND-Vシリーズとの連携により収納できたが、既設端末を有効活用するための方策がさらに増える。