NTT西日本は2023年8月7日、同社が運営する大阪・京橋のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」の利用者が、2022年3月の開業以来1年4カ月で累計10万人(来館者数・イベント参加者数含む)を超えたと発表した。
QUINTBRIDGE外観
同施設は、シェアオフィス、ワークショップスペース、100人収容可能なオープンスペースなどを有する(参考記事:NTT西「QUINTBRIDGE」1周年 2年目はスタートアップ投資を強化|BUSINESS NETWORK)。スタートアップを中心とした企業や自治体、大学などの団体や個人が会員となり、オフィスとして利用するほか、日々イベントを開催している。イベントは年間400回を数え、この参加者を始めとして1日で平均で300名以上が来館するという。イベント参加者が拡大したことなどにより、利用者数5万人達成には開業後9カ月を要したところ、それより短い7カ月で10万人に達し、同施設の会員活動の勢いが増しているということだ。
NTT西日本は、この利用者の伸びにはコミュニティの活性化と広がりがあるとしている。そのコミュニティの1つに「UP↑UP↑Program」が挙げられている。これは、約1万3千人の同施設の会員が講師となり、知識や経験を他の会員にシェアするプログラムだ。業界の第一人者や有識者など多様な経験を有する会員が、自らの知識や経験を他の会員にシェアするものであり、コミュニティは100人を超えてさらに拡大しているという。
QUINTBRDGEの会員コミュニティによるワークショップや議論の模様
また、NTT西日本と会員企業の共創による商用サービスも生まれている。その第1号となる防災テックベンチャー・SpecteeとNTT西日本の共創による自治体向け防災DXサービス「Spectee Pro for elgana」は、NTTビジネスソリューションズが2023年4月20日からサービスを提供している。
QUINTBRIDGEの会員数は、個人会員1.3万人、法人会員911社、連携パートナー54組織となり、今年4月時点のそれぞれ1万270人、670社、46組織より拡大している。NTT西日本に限らず、会員相互での取り組みやサービス採用などが多数生まれているという。
こうした取り組みによりスタートアップ企業との接点や連携が拡大したNTT西日本は、イノベーションリーダーズサミット実行委員会による「イノベーティブ大企業ランキング」で2023年度28位となり、昨年度の59位より大きく順位を上げた。これは国内のスタートアップ企業からのアンケートによるもので、スタートアップから選ばれるエコシステムとしてQUINTBRIDGEの認知が向上しているとしている。