NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアのドコモグループ3社は2023年6月28日、AIを活用した河川・ため池水位監視ソリューションを全国の企業・自治体向けにトライアル提供開始したと発表した。

同ソリューションは、物理的な水位計を不要とする。具体的には、河川やため池にカメラ付きの専用機器を設置し、撮影した映像上に仮想水位計を表示させ、映像認識AI技術を活用することで、現在の水位をリアルタイムかつ正確に把握することができる。

利用イメージ

水位の判定は、画像を分割して映像を認識するセグメンテーションAI技術を用いて、仮想的に設定した水位計に表示された水面と陸地の面積比から水位を割り出す独自のアルゴリズムによって算出する。仮想水位計を複数設置することで、AIの判定精度を高めることも可能だ。

仮想水位計設定イメージ

あらかじめ設定した水位を超えると、自動的に河川管理を行う担当者に通知される。管理者は、管理画面上で可視化された河川のリアルタイム映像や水位の時系列データを閲覧できるほか、AIの各種設定も行える。さらに、動画配信サイト上でライブ配信することも可能なため、例えば映像データを住民などへ広く展開することで、注意・警戒を促すことができる。

ソリューションの構成

ドコモグループでは、今回のトライアルを通じて、導入効果や水位測定精度の確認・最適化を図り、2024年3月までのサービス提供開始を目指すとともに、全国の自治体への導入に向け取り組んでいくという。