KDDIが日本初の“Windows Phone”~ マイクロソフト樋口社長「この第一歩を成功させないと次はない」

KDDIと日本マイクロソフト等は日本初のWindows Phone「IS12T」を9月以降に発売すると発表した。「他社とはまったく違うアプローチ。この第一歩を成功させないと次はない」と満を持して日本に投入されるWindows Phoneの実力は一体どんなものなのだろうか。

KDDI、日本マイクロソフト、富士通東芝モバイルコミュニケーションズの3社は2011年7月27日に記者説明会を共同開催し、「Windows Phone IS12T」を発表した。マイクロソフトのスマートフォン用OS「Windows Phone 7.5(コードネーム“Mango”)」を搭載したIS12Tは、日本初のWindows Phoneとなる。

日本初となるWindows Phone「IS12T」
日本初となるWindows Phone「IS12T」

KDDIの田中孝司社長は、他キャリアに先駆けて今回Windows Phoneを投入する理由を次のように説明した。「auらしさとはワクワク感。これまで『選べるスマートフォン』ということで幅広いAndroidのラインナップを揃えてきたが、さらに『いいモノを、いち早く』ということで、日本初上陸となる最新のスマートフォンをauからお届けする」。当初スマートフォンに対して様子見の姿勢をとったため結果的に出遅れたKDDIだが、Windows Phoneをいち早く投入することで、スマートフォンに対する積極姿勢を示す狙いもあるようだ。

田中社長は約1カ月前からIS12Tを使っているとのこと。その感想だが、「私はプロであるため、いろいろなスマートフォンを使ってきている。Windows Phoneは最初の1日目は非常にとっつきにくい印象を与えるが、だんだん気持ちよくなってくる。例えば、SNSやクラウドの連携など、これまでのスマートフォンとは少し違う」と述べた。

マイクロソフト渾身の新UI「メトロ・デザイン」とは?

使い勝手の面でWindows Phoneのキーとなっているのは新ユーザーインターフェース(UI)の「メトロ・デザイン」だ。マイクロソフトのスマートフォン用OSは従来「Windows Mobile」のブランド名で展開されてきた。それが昨年「Windows Phone」に刷新されたわけだが、両者の最大の違いの1つはUIである。Windows MobileがPC発想のUIだったのに対し、Windows Phoneではスマートフォンとしての使い勝手を最重視して設計された。「他社とはまったく違うアプローチで、最も使いやすいスマートフォンになっている」と日本マイクロソフトの樋口泰行社長は語った。

Windows MobileとWindows Phoneの主な違い
Windows MobileとWindows Phoneの主な違い

それでは、メトロ・デザインとはどのようなUIなのか。樋口社長は「従来のスマートフォンはアプリケーションを立ち上げるという考え方だが、Windows Phoneはどういう目的かという考え方。ライブ・タイルというコンセプトを採用し、自分の優先順位にしたがって、タイルを設計していける」と話した。Windows Phoneのスタート画面には、メールやブラウザなどのよく使う項目が「タイル」として並び、自由に並び替えが可能。自動で最新の情報に更新される「ライブ・タイル」機能も備える。また、「ハブ」というコンセプトも特徴的で、例えば「Peopleハブ」をタッチすると友人などのアドレスやSNSなどの情報が横スクロールのパノラマ画面で統合的に閲覧できる。「電話やメールといったアプリケーションをまずキックするのではなく、『誰とつながるのか』ということをまず発想し、そこからFacebookなどに入っていく」(樋口社長)。ハブは、People以外にOffice、マーケットプレイス XBox Live、ミュージック+ビデオ、ピクチャーの計6つが用意されている。

Windows PhoneのUI「メトロ・デザイン」の特徴
Windows PhoneのUI「メトロ・デザイン」の特徴

機能面での特徴としては、まずマイクロソフトのクラウド型ストレージサービス「Windows Live SkyDrive」との連携が挙げられる。Office文書や写真などを、簡単にクラウド上で共有できる。また、標準でOfficeを搭載し、Word、Excel、PowerPointの閲覧だけでなく編集も行えるのもポイント。さらに樋口社長は、PC同様の最新ブラウザInternet Explorer 9とハードウェアアクセラレーターを搭載し、PCサイトをそのまま表示できるほか、高速にブラウジングできる点もアピールした。

Windows Phone Windows Phone
Windows Phone 7.5(Mango)のスタート画面。タイル状のアイコンが並ぶ 「Peopleハブ」の画面。横にスクロールさせるパノラマ画面となっており、必要な情報を素早く見つけられるという

会場内に設けられたタッチ&トライコーナーで短時間ではあるが実機に触ることができたが、確かにiPhoneやAndroidとはだいぶUIが異なる。田中社長の言う通り、最初はとっつきにくさもあるのだが、慣れると非常に使いやすそうという期待がもてた。悪い意味でのPCっぽさも無くなっており、むしろiPhoneやAndroidより斬新なUIという印象である。Windows Live SkyDriveとの連携も大変スムーズで使いやすかった。

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