「ワイヤレスジャパン×WTP 2023」で黒を基調としたブースが目を引く太平貿易が展開しているのが、LED照明を利用したワイヤレス光通信機器の「LiFi」だ。
シーリングライトが通信デバイスに
ブース内に設置されたLED照明。実際に通信を行っている
「LiFi-XCシステム」では、一般的なルーター・スイッチに専用のアクセスポイントと「TXドライバー」という機器を接続。これらの機器がデータを可視光に高速変調し、対応のLED照明で無線通信を可能にする。「ステーション」と呼ぶUSBドングル型のデバイスをPC等に接続すれば、Wi-Fi同様の通信ができ、YouTubeなども問題なく楽しむことができる。
ノートPCに接続した「ステーション」。緑色のライトは通信状況によって色が変化する
左下の白い筐体がアクセスポイント、その右の黒い筐体がTXドライバー。右上は対応LED照明
米軍が評価した高セキュリティ
同社担当者は、「メリットは非干渉性と高セキュリティ」と話す。電波をそもそも使用しないので、工場など多くの電波が飛び交う環境でも干渉の心配なくロボットの操作に用いることができるという。また、可視光で通信していることから、光の届かない場所には通信も不可能だ(ステーションからLED照明への上り通信には赤外線を使用)。
LiFiの採用事例
実際にステーションの受光部分を手で覆うと、PCの無線ネットワーク接続が無効になったことを確認できた。通信傍受を避けるには光を遮断すれば済むので、この高セキュリティが米国陸軍に評価され、フィールド等で採用されているとのことだ。
通信速度は上下とも43Mbps。複数の照明を配置したエリア拡張も簡単に行えるという。